公務員が、市長に「死ね!」というメールを送るワケちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(4)(2/4 ページ)

» 2012年01月17日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
中田さんが横浜市長時代に経験したことを聞いて、驚いているちきりんさん

中田:公務員の世界のどこが問題かというと、「構造」なんですよ。それは公務員だけでなく、議員も記者も構造が生んでいる。そう思ったので、実名は出しませんでした。

ちきりん:本の中で紹介されていたエピソードで驚いたのは、定年まであと数年という人(公務員)が、ボスである中田さんに「死ね」というメールを送りつけたという話。そんなメールを送ってもクビにならない、だから送る人がいる、という構造があることは理解できるものの、さすがにこれは大人としての常識があまりにも欠けているのではないでしょうか。

 私のいた金融の世界はマーケットで評価されます。政治家だって選挙で評価される。公務員ももう少し厳しく評価されることが必要だと感じます。大学を卒業し、一度試験に合格すれば、その後定年まで法律違反をしない限りナニをやってもお咎(とが)めなしというのはやはりおかしいです。

 「死ね」なんていうメールは上司はもちろんのこと、同僚や部下にも普通は送りませんよね。なぜいい年をした公務員の中に、そんなメールを上司に送る人がでてくるのでしょうか? そういう人の精神構造が信じがたいんですけど。

中田:やはり「構造が生んでいる」と思っています。1つは「処分されない」ということがある。処分されないというのは、公務員の身を最低限担保されているわけで、あとは人間としてのマナーの問題。でも現実には、そうした行動になぜ出るのか。市役所のPCを使って、なぜ「死ね」というメールを送れるのか。

ちきりん:もちろん民間企業でも上司に不満を持つ人はたくさんいます。希望でない部署にまわされたり、評価を下げられたり。それでも「死ね」なんてメールを送る人の話は聞いたことがありません。そんなことをする人っているのかなあ……。

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