米国株は底堅く堅調、日本株は持高調整の売りが続いて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月12日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は引き続き堅調ですが、日本株は相変わらず持高調整の売りが続き軟調となりました。昼の時間帯に東日本でやや大きな地震が観測され、先物を売り急ぐ場面もあるなど地合いの悪さを嫌気するように売り急ぐ場面もありました。個別銘柄の動きをみても好材料には反応は鈍く、悪材料には敏感に反応、そして特に材料のないなかで売りが止まらない銘柄も多く、持高調整の売りが続いているものと思われます。中国のCPI(消費者物価指数)も落ち着いており、景況感は悪くないのですが特に材料視することもなく軟調な地合いとなりました。

 最近始まったことでもないのですが、昨年来本当に特に理由のない中で目先の値動きだけで大きく売られたり、買われたりする銘柄が多くなってきた感じです。毎日の値上がり上位銘柄や値下がり上位銘柄をみても明確に上昇した材料、下落した材料がみえているものが少ないのではないかと思います。例えば、パナソニック(6752)でも特に大きな売り材料が出たということでもないのですが、昨年来安値を更新して売られるという状況です。

 また、昨日まで大きく下落していたDeNA(2432)はさすがに売り一巡感から反発、一時は大幅高となるなど「普通の動き」となっていたのですが、同じように下落していたグリー(3632)は本日も寄り付きこそ堅調となったもののすぐに売り直されて大幅下落となりました。市場でいわれているように某夕刊紙で課金の問題が取りざたされたということであれば、グリーもDeNAも同じように売りが続くのでしょうが、そうでないところをみると決して何かの材料で売られたということではないのだと思います。

 逆に、特に材料のないなかで売られたということは持高調整の売りが出ているということであり、そうした売りが一巡となれば、売られすぎの反動から買い直されることが多いのではないかと思います。収益が悪化するとか、ビジネスモデルがうまく機能しなくなった、あるいは不祥事などが起きたのであれば売らなければならないのでしょうが、特に材料のないなかで売られ、割安感が出てくれば自ずと反発してくるものだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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