米国景気が好調ということで底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年01月12日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8447.88△25.62

<TOPIX>733.47△1.54

<NYダウ>12449.45▼13.02

<NASDAQ>2710.76△8.26

<NY為替>76.87△0.04

欧州金融不安や景気鈍化懸念から売られるが、米国景気が好調ということで底堅い堅調な展開

 ドイツのGDP(国内総生産)は2011年通年は前年比3.0%と好調だが10−12月期に減速したとの見方から欧州景気鈍化懸念が強まり、フランス国債格下げ懸念が燻るなかで、欧州発の信用収縮=リスク許容度の低下を懸念して売りが先行となりました。ここのところ底堅いながらも上値の重いような展開となっていたことで、手仕舞い売りが嵩む場面もありましたが、住宅ローン申請件数が伸びていることやベージュブック(地区連銀経済報告)で米国景気が「小幅なペースで拡大した」と改善されたことから買い直されてダウ平均は戻りきらなかったもののナスダック指数は堅調となりました。

 欧州金融不安に加え、景気鈍化懸念が強まったことからさらに「欧州不安」が強まり、足元の米国景気は好調でも上値が重くなりました。欧州各国の国債入札に一喜一憂することもないと思うのですが、「懸念」や「不安」が先走り、思い切ってリスクを取るということがないのだと思います。米国市場のセンチメントは好転しているものと思われますが、世界的な経済規模で見た場合まだまだ楽観的になりきれないということなのだと思います。ただ、多分に気分的なものが強く、いったん欧州問題も好転してくると一気にセンチメントも上向くのだと思います。

 個別には芳しくない決算を発表したものの受注が大幅増と発表したレナーが大幅高、住宅ローン申請件数が好調ということで欧州懸念はあるもののシティグループやバンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガン・チェースも堅調と金融株が堅調となり、欧州景気鈍化懸念でキャタピラーやアップルは軟調となったものの足元の米国景気が好調ということでアルコアやGE(ゼネラルエレクトリック)、フォード・モーターやインテルなどが堅調と、景気敏感銘柄はまちまちとなりました。四半期決算で赤字が拡大したとしてスーパーバリュー(食品スーパー)が大幅安、ホーム・デポやコカ・コーラなど消費関連に軟調なものも見られましたが、ウォルマートは堅調となるなど消費関連を売り急ぐような動きもありませんでした。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて買い先行となったものの、いつもの通り方向感に乏しく、上値の重い狭い範囲での動きとなりました。外国人も金額は買い越しながらも株数は売り越しと方向感が定まらず、為替が相変わらず円高気味ということもあり、買い切れないなかで持高調整の売りに押されるものが多かったということだと思います。目先の需給要因だけで右往左往しながら指数の方向感はみえないということで、円高が止まるということでもないと動き難いということなのでしょう。

 米国市場は引き続き底堅い堅調な展開となったのですが、日本市場は依然としてユーロ安や円高懸念が根強く、冴えない展開となりそうです。ユーロ安は若干進んだのですが大きな動きではないということで方向感に乏しい展開となりそうです。シカゴ市場(CME)の日経平均先物もADR(米預託証券)もほとんど昨日の終値と変らないような状況で、日中の値幅も相変わらず少なく、指数は昨日の終値を挟んで、狭い範囲での動きとなり、幕間つなぎ的に値動きの良し悪しを見て低位株が物色されるのでしょう。昨日はまだ下げ止まりませんでしたが、ゲーム関連銘柄などの持高調整の売りが一巡となったのかどうかを確認して売られすぎの反動がみられるのかどうかが注目されます。

 日経平均は依然として8500円〜600円水準が「壁」となりそうです。売り難さがみられ底堅い展開で8200円〜300円水準の節目を試すような動きにもならないのですが、ユーロ安が進むような展開になると下値を試し、ユーロ安が止まるようであれば再度上値を試すと言うことなのだと思います。米国市場動向に連れて右往左往するというよりはユーロの動きに連れて動くものと思われ、欧州金融不安が一段落となれば為替もユーロも戻すのでしょうし、そうなると一段の修正高となってくるのだと思います。

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