好決算発表や商品相場高、欧州金融不安が薄れたことから堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年01月11日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8422.26△31.91

<TOPIX>731.93△2.33

<NYダウ>12462.47△69.78

<NASDAQ>2702.50△25.94

<NY為替>76.83△0.02

好決算発表や商品相場高、欧州金融不安が薄れたことから堅調な展開

 格付け会社がフランス国債の格下げがないとコメントしたと伝えられたことや前日の引け後の底堅い素材銘柄の決算を受けて買いが先行、堅調となりました。足元の景況感が好調、雇用などの指標も好調となるなかで、個別企業の決算も予想されたほど悪くなく、好調な決算も期待されることから総じて堅調となりました。商品相場も堅調となったことで世界的な景気鈍化懸念が薄れ、信用収縮の動きも薄れたということで買い直されたものと思います。欧州金融不安も一段落となり、リスク許容度も上昇してきたものと思われます。

 先週の好調な雇用統計などの経済指標の発表があり、今週からは個別企業の決算発表が始まるなかで堅調な決算が示されたことで、今後の決算発表に対する期待も強まったものと思います。個人消費も好調とされ、消費者信用残高も大きく伸びていることから、金融緩和の効果が個人消費や企業業績の向上に結びついているということでしょう。これから発表される決算動向、特に金融機関の決算や個人消費動向を示すような経済指標に敏感に反応することになるのでしょうが、センチメントもだいぶ上向いてきているようです。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算と前向きな見通しを発表したアルコアは堅調となり、GE(ゼネラル・エレクトリック)は手仕舞い売りに押されたものの、キャタピラーが堅調、インテルやアップルなどのハイテク銘柄も堅調なものが多いなど景気敏感銘柄はしっかりとした動きとなりました。欧州金融不安が一段落となったことからバンク・オブ・アメリカやシティグループが大幅高、JPモルガン・チェースも堅調となるなど金融株が総じて高く、金価格の上昇を受けてパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングも高くなりました。年末商戦の伸び悩みを背景に2012年1月期の通期の1株利益見通しを引き下げたティファニーが大幅下落、ウォルマートも軟調となるなど利益確定売りもあって小売株の一角が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や連休前の大幅下落の反動から買い先行となりました。ただ、円高気味ということもあり、寄り付きの買いが一巡となった後は上値も重く、指数は小動きとなりました。インターネット関連やゲーム関連銘柄などが手仕舞い売りや見切り売りに押されて軟調となる一方で復興需要期待から建設株などが買われました。ただ、相変わらず盛り上がりに欠ける展開で売買高も少なく、幕間つなぎ的に値動きの良い銘柄が買われただけという感じでした。

 米国株が堅調となったことや為替も落ち着いていることから日本市場も堅調な展開が期待されますが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物やADR(米預託証券)の動きを見ても堅調ながらも冴えない展開となっており、相変わらず日本市場は上値の重い展開となりそうです。円高であることには変わりなく、これから米国企業は好調な決算や見通しを示す期待はあるものの、日本企業の見通しは慎重にならざるを得ないということなのでしょう。売られすぎた感のあるインターネット関連やゲーム関連銘柄の反発や引き続き復興需要期待の内需銘柄が物色されるのでしょう。

 日経平均は依然として8500円〜600円水準の節目を抜けるだけの手掛かりには乏しく上値も限られそうです。下値の節目である8200円〜300円水準を確かめるような雰囲気でもなく、上値の重さを試しながらも堅調な展開となりそうです。円高傾向が止まらない限り下がれば買われるのでしょうが、積極的に上値を買い上がるということでもないと思います。割安感が強い銘柄の水準訂正で8500円〜600円水準までは戻るのだと思います。

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