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» 2012年01月09日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:“変化”を好む人、嫌う人の違いとは? (1/2)

「変化」という言葉には、「新しい」「既成概念からの脱却」といったポジティブなイメージを持つ人がいる一方、「安定していない」「ぶれる」といったネガティブなイメージを持つ人もいます。その2者の違いはどこから生まれるのでしょうか。

[ちきりん,Business Media 誠]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2009年1月16日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 今年は米国大統領選挙の年ですが、4年前、オバマ大統領候補(当時)がスローガンとして掲げていたのが「We can change!」、すなわち「変化」です。

ah_tiki1.jpg オバマ大統領公式Webサイト

 この「変化」という言葉、米国ではたいてい肯定的な意味で使われますが、日本では必ずしもそうではありません。半々か、もしかするとさらに高い比率で「変化」をネガティブなものと感じる人がいそうです。

 ちきりんにとって変化のない状態とは、「退屈」「成長しない」「停滞している」「かたくな」というイメージです。一方、変化は新しいものとの出会いや成長、ダイナミックなわくわくする経験といったイメージと結びつきます。

 しかし、この国では「変化しないモノ」にポジティブな意味を与える人も非常に多いです。それは、「ぶれない」「安定している」「一貫している」「耐え忍ぶ」といった言葉とつながっています。変化をポジティブにとらえる場合でも「性急な変化」という言葉があるように、「変化するのは良いが、そのスピードはゆっくりの方がベター」という感覚があるようです。

 「変化」という言葉から思い浮かべるイメージの国際比較とか、「彼は決して変わらない」という言葉をどう解釈する人が多いか、などについて異なる国で調査してみたら面白いんじゃないかと思います。

 変化が好きそうな米国はともかく、歴史の長い欧州でこの言葉がどのように受け取られているのか、急速に変わりつつある中国など新興国ではどのようなイメージとつながるのか、興味深いところです。

5年先の自分の姿が見えている人生

 最近の日本では役所や大企業に入りたがる若者がたくさんいますが、ああいうところで働いていると、「5年後の自分の姿は2メートル先の係長席をみれば分かる」「10年後の自分の姿は4メートル先の課長席に見えている」といった状態です。

 それを「安心できる人生」「安定した人生」と感じ、「そういう人生を手に入れたい!」と考える人もいれば、「そんなつまらない人生は耐えられない!」と思う人もいます。

 変化をポジティブにとらえる人にとっては、「5年後はこうで、10年後はこうで、20年後は定年で、30年後は老人で、40年後は寿命」みたいに先が見えてしまっている人生では、「自分で生きる意味がない」とさえ思うでしょう。

 一方、変化嫌いの人にしてみれば、「そういう安定した人生だからこそ、日常のささいなことを楽しめるんだ」ということなのかもしれません。「自分の子どもに安定した人生を与えたい」と思っている親もたくさんいるのでしょう。

 さらに、好ましいと思う変化スピードについても、意見は大きく異なります。速いスピードでどんどん変わっていく世界にドキドキワクワクできる人もいるし、あまり早く変わると付いていけないから、ゆっくり変わってほしいと望む人もいます。

 ちきりんは日本人なので「日本も少しずつ変わっている」ことが分かりますが、海外の人からは「日本の変化は遅すぎて、変わっているのかどうか分からない」と言われることも多いです。日本企業の中にも「少しずつ変えているつもり」の経営者と、「何年経っても何も変わらない」と感じる若手社員、という構図も存在しています。

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