コラム
» 2012年01月06日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:30代の会社員が、身につけるべき“選択力” (1/4)

仕事をして「上司とうまくいかないなあ」と感じたことがあるビジネスパーソンも多いだろう。そんな人には、ぜひ「選択力」を身につけてほしい。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 今回は、30代前半から半ばの会社員が身に付けたほうがいいと思う、「選択力」を紹介したい。何かを選び、何かを捨てる力とも言える。

 「選択力」は2011年10月上旬、東北の被災地に取材で行ったとき、仙台市に住む40代後半の女性経営者が話していたことだ。私には、耳の痛い内容だった。

 彼女は創業経営者である父親を、30代前半に失くした。それ以降、10数年、経営者をしている。会社は結婚式などを催す会社(社員数90人ほど)。40歳くらいまでは思い描いたように経営ができなかったという。

 次に紹介するのは、彼女が話した中で特に印象に残った言葉である。

 「私が何かをしようとすると、父親の側近だった役員がさまざまな意見を言う。特に『親父さんのときは、〜だった。それをいきなり変えても……』と何度も言われた。結局、体制を変えることができなかった」

 こういった話は社員数300人以下の中小企業で、創業経営者の後を継ぐ経営者がぶつかることが多い。後継の社長を観察すると、3人に1人ほどの割合で、独自路線を出そうと先代が築き上げた体制を数年以内に大胆に変えようとする。その半数以上がうまくいかない。先代の側近だった役員らと衝突し、前に進まないのだ。

 女性経営者は、役員が言うことを「選択」したのだという。例えば、役員が「親父さんのときは、〜だった。それをいきなり変えても……」と言うと、そこで議論はしなかった。むしろ、受け入れたという。

 それでは「選択」ではなく、「言いなり」に聞こえなくもない。だが、本人は「選んでいた」と言い切る。大切なことは、「その話の中から何かを選ぼうとしないこと」だという。その理由を聞くと、「選ぶことは、何かを否定することも意味する。役員たちはそのことにも機嫌が悪くなる」と答える。

 では、何を選択していたのか。女性経営者は、「役員が話す他のことや担当する仕事。そして彼がいないと、役員会はどうなるか。さらにこの会社はどうなっていくかを紙に書いて想像していた」と答える。

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