米国株は底堅く堅調だが、閑散のなか手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月05日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国市場は底堅い堅調な展開でしたが相変わらず円高が気になるということで「閑散小動き」冴えない展開となりました。特に何が売られているということでもないのですが、円高の割りに昨日まで堅調となっていたハイテク銘柄の一角や幕間つなぎ的に買われていた小型のインターネット関連銘柄などに安いものが目立つような感じです。所謂「材料株」「仕手株」というようなものが幕間つなぎ的に訳もなく買われて値を飛ばし、指数に影響の少ないところで賑わったものがみられるようです。

 年が明けて米国株式市場や商品相場は明らかに新規資金の流入期待などからリスク許容度が高まり、堅調な展開となっているのですが、ここでも日本株だけは「蚊帳の外」という感じです。特に為替が円高となっていることもあって、手が出せないということなのだと思いますが、相変わらず今年も「円高懸念」ということなのでしょう。欧州にしても米国にしても足元の景況感が好調というのは多分に自国通貨安政策がうまくいっているということであり、日本の優秀な役人も政府も日銀も分かっているはずなのですが何も手が打てないということなのでしょう。

 消費税を増税するというのも悪くないのでしょうが現状のデフレ脱却の手を打たずに消費税を増税してもますます資金が萎縮するだけということではないかと思います。増税することによってインフレになるのであれば良いのですがそのためにはもっと為替を円安するとか、円の流通量を増やしす必要もあると思います。景気が悪いからお金を使わず、お金を使わないから景気が悪くなると言うことで、ますます経済が縮小し、日本の存在価値すらみられなくなってしまいそうです。

 若者が元気がないということも言われますが、本当に景気が悪いからお金がなく、お金がないからお金を貯めることに力が入り、お金を貯めるだけで使わないから景気が良くならないということなのだと思います。銀行でも定期預金金利はないに等しいのですが、それでも「将来のため」ということで貯め込む若者が多いのでしょう。お金がないから節約する、安いもので満足するということなのでしょうが、お金がないから稼ぐ、欲しいものがあるから稼ぐ、というような雰囲気になってくればもっと景気も良くなって来るのだと思います。いっそマイナス金利にするとか、預金の利息には多大な税金がかかるということになればもっとお金を使う人も増えるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.