スペイン問題が取りざたされるも個人消費が引き続き好調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年01月05日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8560.11△104.76

<TOPIX>742.99△14.38

<NYダウ>12418.42△21.04

<NASDAQ>2648.36▼0.36

<NY為替>76.72△0.01

今度はスペイン問題が取りざたされるも個人消費が引き続き好調ということで底堅く横ばい

 前日の大幅高の反動やスペインが欧州連合(EU)などに対し支援を要請するとの話題が取りざたされて売り先行となりました。ただ、クリスマス商戦に続き年末の個人消費も拡大しているとの報道がみられ、小売株を中心に買いが入り底堅い展開となり、底堅さが確認されると買戻しを急ぐ動きもあってダウ平均は堅調、ナスダック指数は横ばいとなりました。欧州金融不安は引き続き懸念されるものの、足元の個人消費が好調、製造業新規受注も予想を下回ったものの3カ月ぶりにプラスに転じるなど景況感は悪くなく、底堅さがみられたものと思います。

 クリスマス商戦に続き、年末の個人消費も好調と伝えられたことや12月の新車販売も好調と伝えられたように、景気鈍化懸念が出ていた割には実際に経済情勢は悪くなかったということが改めて確認されたものと思います。商品相場も買い直しの動きも出ており、欧州金融不安は燻っているもののリスク許容度も上昇してきているということでしょう。引き続き経済指標などに敏感に反応することになるのでしょうが、強含みの展開が続きそうです。

 個別には12月の新車販売台数が好調ということでGM(ゼネラル・モーターズ)やフォード・モーターは堅調となり、個人消費が引き続き好調ということでGE(ゼネラル・エレクトリック)やアルコア、キャタピラーといった景気敏感株も高かったのですが、ウォルマートやJCペニーなど小売株に軟調なものも目立ちました。石油や金の先物価格は引き続き堅調でしたが、エクソン・モービルが高く、シェブロンが安い、パブリック・ゴールドは高いがニューモント・マイニングは安いと石油株や金鉱株はまちまち、欧州金融不安も取りざたされたのですがJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は海外株高や世界的な景気鈍化懸念が薄れたことから買い先行となりました。ただ、大発会のご祝儀買いも期待されたものの、相変わらず指数に方向感がみられるわけでもなく、「閑散小動き」といった状況で寄り付きの買いが一巡となった後は大幅高水準での動きでしたが上値も重くなりました。上値の重さを確認したからといって売り急ぐこともなく、円高を嫌気するでもなく、最後まで方向感に乏しい展開となりました。

 米国市場は足元の景況感は悪くないということで底堅さがみられ、日本市場もそれを受けて底堅い展開となりそうです。ただ、米国と違って円高という重石があり、円高是正が見られないと底堅さはみられても上値も重いというような展開となりそうです。東証一部の騰落レシオ(25日)も120%を超えてきており、盛り上がらない相場なのですが、目先的な過熱感もあり、引き続き様子見気分の強い、方向感に乏しい展開となりそうです。主力銘柄の水準訂正の動きが続き、割安感の強い銘柄は買われるのでしょうが、先駆した銘柄などは利益確定売りに押されそうです。幕間つなぎ的に、一段落となっている内需株や円高メリットのある小売株などの見直し買いが入って来るのではないかと思います。

 引き続き8500円〜600円水準での底値固めという展開になりそうです。目先的な過熱感も出ており、上値を積極的に追うには材料不足ということなのだと思います。年末で持高が軽くなった分、手仕舞い売りや手仕舞いの買戻しは少なく、指数に動きは出難いと思います。円高が進むようであれば8500円〜600円水準での上値の重さを嫌気し、下値の節目である8200円〜300円水準を試すような展開になってくるのでしょうし、円安に振れると8500円〜600円の値固めを終えて次の上値の節目である8800円〜900円水準を試すことになるのでしょう。

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