永田町のセンセイたちは、どっちを向いているのか相場英雄の時事日想(2/3 ページ)

» 2012年01月05日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

 「どっちを向いて仕事をしているのか」

 非常にシンプル、かつ強いメッセージを持った言葉だったことを鮮明に記憶している。このインタビュー時であれば、同市長は南相馬から避難した方々に体を向けて仕事をしていた、ということになる。平時であれば、もちろん三条市民を向いている。

 これを永田町に置き換えてみると、どうか。国民に体を向けている国会議員はごくわずかだと感じるのは筆者だけではないはずだ。

 消費税率引き上げを巡る与党・民主党の混乱ぶりをみるにつけ、筆者は國定市長が発した「どっちを向いて仕事をしているか」という言葉を思い出した。

 もちろん、三条市のような小さな地方都市と国では規模が違いすぎる。一概に単純比較できないのは承知している。だが、リーダーの心持ち次第で、永田町の有り様も大きく変わるのではないか、と改めて感じている次第なのだ。

有権者の目は節穴ではない

 冒頭で触れた地方のリーダーは、なにも國定市長だけではない。佐賀県の武雄市・樋渡啓祐市長も「どっちを向いて仕事をしているか」が極めて明解な人物だ。

 恥ずかしながら、筆者は1年ほど前まで同市長の存在を全く知らず、Twitter上で注目し始めた。Twitterやブログで同氏の行政手腕を垣間みるにつけ、同じような行動力を持った政治家が永田町になぜいないのか、首を傾げるばかりだ。

 元同僚や知り合いに数人の国会議員がいるが、最近注目を集める地方のリーダーのような行動力やリーダーシップを持ち合わせている人物は残念ながら皆無の状態。

 昨年、筆者は当コラムでさまざまな事柄が可視化されるようになってきたことに触れてきた。マスコミの取材手法、新聞紙面やテレビ番組の作られ方などの事柄だ。

 今年は、政治や行政のあり方が可視化され、広く有権者の目にさらされていくと予想する。

 先に取り上げた地方のリーダーたちは、TwitterやFacebook、あるいは自身のブログでさまざまな情報を発信中だ。議会との折衝や行政の実務のほか、地元の特産品の紹介やそれらを他の地域に売り込むセールスマンをも兼ねている人が少なくない。

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