お正月 人あつまりし ソーシャルかな(字余り)郷好文の“うふふ”マーケティング(2/2 ページ)

» 2012年01月05日 11時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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Twitterは“ええじゃないか”メディア

 そこに「世間サマ(特にTwitter)を恐れる日本人」が透けて見えてくる。

 日本人は討論下手と言われる。今に始まったことではなく、ずっと昔から「まあそう言わず」「ひとつ丸くおさめて……」というグレーな終わり方を、家庭でも学校でも井戸端でも政界でも、どこでもしてきた。世間サマを重んじて波風を立てない。無用なしっぺ返しを避ける。それが日本人の本質である。

 だからちょっとでもホンネをつぶやくと炎上するTwitterが、だんだん嫌いになってきているのではないだろうか。一方、同窓会名簿を出発点にするFacebookは、リアルの顔見知りがベースなので、年賀状を交換して旧交を温められる。そちらの方が居心地がいいと感じる人が増えている。

 そもそもTwitterは何かが起きた時、あるいは起こす時に活躍する扇情型メディアである。下図は“1分間あたりのツイート数”。中東の社会動乱やスティーブ・ジョブズの退任や死去、日本の東日本大震災のようなシーンで中心的な役割を果たした。この図にないが、3.11後のtweet per secondは5530に達した。

クリックで拡大(出典:Twitter)

 つまりTwitterは「ええじゃないかメディア」である。幕末に「ええじゃないか」と叫んで略奪で政変をうながした民衆の力。日本では暴力より言葉で国体が変わった。Twitterが爆発する時、日本でも中近東のような政変が起きるかもしれない。

第三のSNSは何か?

 革命はともかくマーケティングの世界では「Twitter Facebookを止まり木にして」、次に続く「第三のSNSは何か?」がテーマとなる。どんなSNSが流行るか? 連歌の続きを書いてみよう。

 「小鳥さえずる春や来たりて」

 次にカギを握るのは「語り」ではないだろうか。人間関係がサツバツとなるメディアは日本人には似合わない。音声通話やチャットといったリアルな語り合い要素がネットでも求められる。オンデマンド参加型の「語り」が次のソーシャルのトレンドになると詠むが、どうだろうか。チャットについては次回以降取りあげる予定だ。

 いずれにしても「日本人の習慣をIT化する」、それが次の日本発SNSのカギを握る。

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