「大納会」でも全く盛り上がりもなく堅調ながらも上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月30日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が大幅高となったのですが、引き続き反応は鈍く堅調ながらも上値の重い展開となりました。米国株への反応が鈍いという感じですが相変わらず売買高も少なく、「大納会」ということもほとんど意識されていないかのように閑散とした展開でした。いつもの通り「閑散小動き」となり、「掉尾の一振」も「お化粧買い」もなく、淡々と時間ばかりが過ぎたという感じでした。今年1年の最後としては盛り上がらない相場となりました。

 「大納会」もやはり、終日の取引だとなんとなくピンと来ません。米国市場でも「短縮取引」というのがあるのですから、「世界標準」もいいのですが、やはり、「大納会」と「大発会」くらいは「半日立会い」がいいのではないかと思います。昼間でのあわただしさのなかで「年末」という雰囲気になり、「年の最後」ということで1年の相場を振り返るということも良いのだと思います。今はインターネットなどで簡単に資料もデータも取ることができ分析も簡単になりましたが、お正月休みなどというようなまとまった休みは相場の分析や資料の整理などにとても便利でした。

 どこにいても相場がみられるということで、それこそ「オン」と「オフ」の境がなくなってしまった感じなのですから、せめて年末・年始くらいは「1年の区切り」として「非日常」という世界を作っても良いのではないでしょうか?新幹線や高速道路の整備と同じで「効率」ばかりを追求していくというのは日々の生活の中でいかがなものかと思います。先日、国王夫妻が来日したブータンではないですが、単に効率性ばかりを追求するのは幸福とも限らないような気がします。

 生き馬の目を抜くといわれるような株式相場にどっぷりとつかって、いつも相場のことばかりを考えている人でも「今日は週末だから」とか「今日は大納会だから」ということでたまには通常と違う世界を作ることも良いのではないかと思います。もちろん、勝手に休めば良いのでしょうが、実際に市場が開いているときに休むのと市場自体が休んでいるのでは全く違うと思います。ですから、メリハリをつけるという意味でも、年末・年始はやはり「半ドン」がいいと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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