買い先行となったが、手仕舞い売りもあって小動き清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月28日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8440.56▼38.78

<TOPIX>724.25▼2.19

<NYダウ>12291.35▼2.65

<NASDAQ>2625.20△6.56

<NY為替>77.85▼0.24

消費関連指標の改善を受けて買い先行となったが、手仕舞い売りもあって上値が重く小動き

 朝方発表された住宅価格指数は予想を下回ったのですが、クリスマス休暇明けの閑散とした相場のなかで特に売り急ぐ動きもなく、手仕舞い売りに上値を押さえられたものの消費者信頼感指数が予想を上回ったことで堅調な推移となりました。好調といわれるクリスマス商戦とあいまって基調は強含みなのですが欧州金融不安が燻っていることもあって手仕舞い売りも嵩み、指数は小動きとなりました。

 相変わらず欧州金融不安なども懸念されるのですが足元の景況感が好調ということで売り急ぐこともなく、楽観的な見方も増えているようです。あとは欧州での金融不安が米国金融機関などに波及しない、世界的な景気鈍化につながらないということを確認するようなことになるのでしょう。足元の景況感が好調ということで売られすぎた銘柄などは水準訂正の動きとなってくるのだと思います。

 個別には足元の景況感が好調ということでインテルやアップルなど景気敏感のハイテク銘柄が高く、シスコシステムズやAT&T、グーグルなど通信、インターネット関連銘柄も堅調となりました。シアーズは直近の既存店売り上げが芳しくないということもあって大量の店舗閉鎖を発表、嫌気する売りに押されて大幅下落、生命保険大手のメットライフの銀行部門を買収すると発表したGE(ゼネラル・エレクトリック)も軟調となり、欧州金融不安が懸念されることもあってバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株が総じて軟調となりました。原油価格が堅調なことやエンデバー・インターナショナルがコノコフィリップスから北海油田の権益を取得すると発表したことから石油株は軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧米株式市場が休場となったこともあり、前日に続いて閑散小動きとなりました。2003年4月18日以来の売買代金の水準、2003年11月28日以来の売買高ということで歴史的な閑散相場となりました。外国人も買い越しと伝えられて売り急ぐということでもなく、持高調整の売り買いや目先筋の売り買いが中心で物色対象も絞り切れず、方向感に乏しいことになりました。日経平均の値動きも全くみられず、上下30円程度の値動きに止まりました。

 米国市場はまちまち、方向感に乏しい展開で日本市場も持高調整の売り買いが中心で方向感に乏しい展開が続きそうです。欧州問題も一段落、「休戦状態(?)」となり為替も大きな動きはみられず売り急ぐこともないのでしょうし、米国経済指標の好転も逆に先行きへの不安が根強いことから素直についていけないという感じです。円高基調に変りはなく、割安感が強い輸出株なども売られはしないものの買われることもなく、幕間つなぎ的に手仕舞い売りに押された小型のインターネット関連銘柄や円高の影響の少ない小売株などが物色されるのではないかと思います。

 引き続き日経平均は8500円水準での上値の重さを確認するような展開となりそうです。8200円〜300円水準での底堅さを試さなければならないほど悲観的な材料があるわけでもなく、8500円〜600円水準の節目を抜けるほど楽観的な材料もないということなのだと思います。閑散相場ながらも「掉尾の一振」期待から8500円水準に突っかける場面もあるのでしょうし、個別に物色される銘柄もあるのでしょうが、相場全体、指数を押し上げるような買い方はないと思います。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.