好調な経済指標を好感、給与減税延長案の成立が好感されて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月26日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8395.16▼64.82

<TOPIX>723.12▼2.56

<NYダウ>12294.00△124.35

<NASDAQ>2618.64△19.19

<NY為替>78.08△0.02

引き続き好調な経済指標を好感、給与減税延長案の成立が好感されて大幅高

 新築住宅販売件数や耐久財受注など足元の経済指標が好転、改善傾向にあることが好感されて買い先行となりました。クリスマス休暇を前に手仕舞いの売り買いが中心で閑散とするなかでも買い戻しを急ぐ動きや足元の景気鈍化懸念が薄れたことで改めて買い直す動きもあって大幅高となりました。給与減税延長案が成立したということで景気鈍化懸念が薄れたことも買い急ぐ要因となったものと思われます。

 今年も最後になって、好調な経済指標がみられます。QE3(量的緩和)云々という以前に足元の景気鈍化懸念が薄れていることで楽観的な見方が強まっているということだと思います。欧州金融不安から世界的なお金の流れの滞り、そしてその影響での世界的な景気鈍化懸念も徐々に薄れているのだと思います。これまでとは逆に、欧州発の景気委縮=経済委縮ということではなく、世界的な経済拡大が続けば欧州での金融不安も薄れてくるという見方も出て来るのではないかと思います。

 個別には欧州金融不安が薄れ、世界的な景気鈍化懸念が薄れたことからインテルやIBM、アップルなどハイテク銘柄が高く、シスコシステムズなども高くなりました。原油高を受けてエクソン・モービルなど石油株が高く、金先物価格は下落となったのですが、景気拡大期待からパブリック・ゴールドなど金鉱株も高くなりました。欧州金融不安も薄れたことからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなども高くなりました。景況感は良いのですがクリスマス休暇を前に手仕舞い売りに押されるものもみられ、アルコアやボーイングなどが軟調、フォード・モーターも小幅高に止まりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株や為替も方向感はなかったのですが、3連休を控えた週末ということで売り先行となりました。ただ、売り急ぐこともなく、手仕舞い売りにじりじりと値を崩す展開で軟調となりました。売材料があって売られたというよりは買い手控えられるなかで手仕舞い売りに押されたという感じで、目先の調整というイメージでした。持高調整の売り買いが中心で方向感もなく目先の需給での高安という感じです。

 日本が3連休中の米国株が大幅高となったことや欧州金融不安が強まるということもなく為替も落ち着いていたことなどから、買い先行となりそうです。ただ、欧米でクリスマス休暇となっていることや日本でも年末・年始ということで積極的に持ち高を増やすということでもなく、上値も限られそうです。円高などを嫌気して売られていたハイテク銘柄などが買い戻しや買い直しから物色されるのでしょうし、一方で売買高が盛り上がらないなかで幕間つなぎ的な値動きの良い小柄銘柄なども物色されるものと思います。

 引き続き8500円〜600円水準を上値としたもみ合いの中での動きとみられ、今度は上値の節目を試す動きとなって来そうです。8500円〜600円水準を抜けるような展開になっても抜本的に円高懸念が消えることや欧州問題が解決するというような材料が必要ではないかと思います。米国景気の鈍化懸念が薄れたというだけではまだ上値も重く。8500円〜600円水準を抜けてもその水準での底堅さを確認する動きになるのでしょうし、逆に上値の重さを確認するような格好となっても8200円〜300円では底堅さもみられると思います。

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