A:なぜ米国ではETFに人気が集まっているんですか?
岡村:さまざまな理由がありますが、そのひとつに中立な「ファイナンシャルアドバイザー」の存在があると言われています。ファイナンシャルアドバイザーというのは「顧客をもうけさせること」が最優先なので、結果的にインデックス運用の人気が高まっているのでしょう。
A:ファイナンシャルアドバイザー? 初めて聞きました。
岡村:先ほども紹介しましたが、証券会社というのは「手数料」をビジネスの柱にしています。一方、米国のファイナンシャルアドバイザーは「成功報酬」なので、彼らは手堅くインデックス運用の商品をススメているようですね。
A:とはいってもETFにも弱点のようなものがありますよね?
岡村:もちろんです。まず、ETFは自動積立ができません。インデックス投信は、自動積立に対応しているのですが、ETFは毎回自分で買わなければいけません。またインデックス投信は1000円から買えますが、ETFは1万円ほどからになりますね。
またインデックス投信の中には「ノーロード」というものがあって、それを選べば手数料は無料。給料日に積み立てをすれば、無駄遣いする前に投資ができますよ(笑)。
A:私には現在、70万円の預金があります。その70万円全額をETFに投資したほうがいいですか?
岡村:「より安全に投資をしたい」ということであれば、積立投資で始めたほうがいいですね。例えば「毎月5万円ずつ」投資をしていれば、リーマンショックのときのように価格が下がったときには同じ5万円でもたくさん買えることになりますから。
A:なるほどー。
(続く)
東京大学工学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。経営コンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、国内大手PE(プライベートエクイティ)ファンド、アドバンテッジパートナーズに勤務する。その中で、「低迷する日本経済」「社会保障制度の崩壊」を見て、「今、自分がほんとうにやるべきことは何か」を考え抜いた結果、2010年6月に退社。妻と2人で、株式会社S&Sinvestmentsを立ち上げる。2011年6月に初めての著書『20代で知っておきたいお金のこと』を出版。
金融のプロとして培った最先端のスキルを、若い世代を中心とした個人のファイナンシャルリテラシー (お金に関する知識)向上に役立てるべく、セミナーやコラム執筆など多方面の活動を行なう。雑誌・ラジオなどメディアにも多数出演。
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