米国では人気があって、日本ではあまり人気がない金融商品とは教えて岡村先生! お金のことアレコレ(3)(2/4 ページ)

» 2011年12月23日 08時00分 公開
[岡村さとみ,土肥義則Business Media 誠]

インデックス運用とアクティブ運用

A:岡村先生の話を聞くまで「投資=自分で個別銘柄を選ばなければいけない」と思っていました。もし日本航空や東京電力のような銘柄を買っていれば、怖いし……。また投資をすれば、新聞を毎日読まなければいけない。それって、メンドーですよね。

岡村:「個別銘柄を選ぶのは怖い、面倒だ」と思うのであれば、“世界中の会社を全部買う”といった発想をしてみるほうがいいかもしれません。

 株式市場の平均よりも勝ちたいという人にオススメなのが「アクティブ運用」。一方、市場の平均リターンを目指すのが「インデックス運用」。

A:ん? インデックス運用とアクティブ運用?

岡村:こちらの図を見ていただけますか?

タイプ別にみた投資信託の特性(クリックして拡大)

岡村:インデックス運用の商品には「インデックス投信」と「ETF」(Exchange Traded Funds)があります。ETFは証券取引所に上場していて、株価指数といった指標への連動を目指す投資信託。例えば「東証株価指数(TOPIX)」に連動するETFがあって、これを保有すればTOPIX全体に投資を行っているのとほぼ同じ効果が得られますね。またトヨタ自動車などの株と同じようにマーケットに上場しているので、いつでも取引できるのが特徴です。

 一方、インデックス投信やアクティブ投信などの投資信託は1日1回しか値段がつきません。例えば「経済危機になるかもしれない」といったニュースが流れても、この投信はすぐに売ることができず、1日待たなければいけません。

A:手数料についてはどうですか?

岡村:ETFは機械的に運用していることが多いので、手数料が安いですね。ETFの次に安いのがインデックス投信。アクティブ投信は、運用するファンドマネージャーに払うお給料やリサーチ代、売ったり買ったりするたびに売買コストがかかるので概ね高いです。

A:実際に手数料はどのくらいかかるのですか?

岡村:投資信託やETFの手数料には、商品を購入するときに販売した証券会社や銀行などに払う「売買手数料」と、投資信託を運用するアセットマネジメント会社に毎年払う「信託報酬」の2つがかかります。例えばネット証券で50万円購入した場合、国内ETFでは売買手数料が100円ほど、信託報酬が毎年1500円ほどかかってきます。

 インデックス投信の中で売買手数料がからないノーロード投信の場合、信託報酬が毎年3000円ほどかかってくるだけ。一方のアクティブ投信では、購入手数料に約1万円、信託報酬に毎年6000円ほどかかり、合計で約1万6000円。国内ETFやノーロード投信の5〜10倍のコストがかかってきますね。

タイプ別にみた投資信託のコスト

岡村:また証券会社の中には「回転売買」といって、手数料が高いアクティブ投信を頻繁に売り買いすることをススメているところがあります。注意が必要ですね。

A:ちゃんと勉強をして、ダマされないようにしないと。

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