コラム
» 2011年12月22日 08時00分 UPDATE

イチロー語録から学ぶ、結果とプロセスどちらが大事か? (1/2)

「結果を出す」ことと「プロセスを重視する」こと――働く上で、常にこの2つの命題は頭をよぎり、判断や行動に何かしらの影響を与えてくる。イチロー語録から、改めてそのテーマを考える。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行う。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 働いていく上で、そして自分を作る上で、「結果」と「プロセス」のどちらが大事か? ――これは難しい問題です。結論から言えば、どちらも欠くことはできない大事なものです。しかし、「真に人を作るのは」と問われれば、プロセスだと思います。結果は確かに人を自信付け、歓喜をもたらしてくれます。

 その一方で、結果は人を惑わしたり陥れたりもします。「結果はウソを言うときがあるが、プロセスはウソを言わない」と言い換えてもいいかもしれません。

 このあたり、イチロー選手の語録には深く噛みしめるべき内容がありますので、いくつか紹介します(イチロー選手のコメントは、いずれも日本経済新聞紙上で掲載されたもの)。

結果とプロセスは優劣つけられるものではない。結果が大事というのはこの世界でこれなくしてはいけない、野球を続けるのに必要だから。プロセスが必要なのは野球選手としてではなく、人間を作る上で必要と思う。

 これは一般のビジネスパーソンについてもまったく同じことが当てはまります。

 会社員であれば組織から与えられた事業目標、業務目標があり、それを成果として個々が達成することで、会社が存続でき、給料ももらうことができる。また、自分の能力よりも少し上の目標を立て、それを達成することで自分は成長する。

 ただ、そうした結果を出すことが絶対化すると、周囲との調和を図らない働き方や不正な手段を用いた達成方法を生み出す温床となる。また、働く側にとっては、それが続くと、早晩、消耗してしまう。結果至上主義は多くの問題をはらんでいます。

 イチロー選手はこうも言います。

負けには理由がありますからね。たまたま勝つことはあっても、たまたま負けることはない。

本当の力が備わっていないと思われる状況で何かを成し遂げたときの気持ちと、しっかり力を蓄えて結果を出したときの気持ちは違う。

 これはつまり、結果が出た(=勝った・記録を残した)からといって有頂天になるな、結果はウソを言うときがあるぞ、というイチロー選手独自の自戒の言葉です。

 プロセスが準備不足であったり、多少甘かったりしたときでも、何かしら結果が出てしまう時が、時にあります。そうしたときの結果は要注意です。そこで天狗になってしまうと、次に思わぬ落とし穴にはまってしまうことが往々にして起こります。

 結果におごることなく、足らなかったプロセス、甘かったプロセスを見直し、次に向け気を引き締めてスタートすることが必要です。

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