コラム
» 2011年12月22日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:被災者の声を聞こう! そうすれば何かが見えてくる (1/3)

「被災者のために、何を支援すればいいのか」――。こうした疑問に対し、筆者の相場氏は「現地に足を運べ」とアドバイスする。被災者の声を聞けば、現地で何が必要なのかが見えてくるからだという。

[相場英雄,Business Media 誠]

 東日本大震災の発生から9カ月以上が経過した。被災地の瓦礫(がれき)撤去やインフラの再構築は進んでいるが、現地住民の苦難は依然続いている。一方、大手メディアの関連報道は着実に減少し、読者や視聴者の関心も確実に薄らいでいる。

 今年最後となる本稿では、被災地への継続支援を改めて訴えたい。同時に、震災発生当初とは確実に現地のニーズが変わってきていることもお伝えする。

「次はどうすればいい?」

 「同業者と大量の応援メッセージ入り色紙をつくり、義援金も送らせてもらった。次はなにをすればいい?」――。

 過日、某出版社のイベントに出席した際、旧知の著名イラストレーターからこんなことを尋ねられた。

 東北沿岸都市で何度か個展を開催した経験を持つ同氏にとって、先の大震災はとても人ごとではなかった。震災直後から現地の知人に物資を送った。また、先の言葉通り、自作の色紙を制作して被災者を励ます活動も展開してきた、という。ただ同氏からは「ここ数カ月は、ほとんど手助けらしいことができていない」との言葉が漏れた。

 筆者が当欄でルポを綴ってきた経緯を知る同氏は、次にどうすべきかを率直に尋ねてきた、という次第だ。「友人には芸能人も多い。彼らと一緒にイベントはできないだろうか?」

 同氏は真剣な表情で筆者への質問を続けた。このイラストレーターの幅広い人脈を知っているだけに、筆者は頷きかけたが、首を縦に振ることはとどまった。

 先に当欄でも触れたが、被災地住民の心理は複雑なのだ。市街地や幹線道路沿いの瓦礫撤去は進んだが、心の整理はいまだに済んでいない。

 もちろん、被災地の市町村ごとにインフラ整備の進ちょく度には明確な格差があり、それぞれの地域ごとに住民たちが抱く感情にも明確な温度差がある。

 極端な話を言えば、同じ市町村の中でも、町内、番地ごとに復興の速度が違い、住民ごとの心理状態や支援に対するニーズが違うのだ。

yd_aiba2.jpg 水浜地区。港近くから撮影。大きながれきは撤去されたものの、以前の住居跡は依然として放置されたまま
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