米国株高を受けて買い先行、大幅高だが寄り付いた後は「閑散小動き」清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月21日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は大幅高となったことから日本市場も買い先行、大幅高の始まりとなりましたが、相変わらず寄り付きの買いが一巡となった後は方向感に乏しく、盛り上がりに欠ける展開となりました。クリスマス休暇を前に積極的に買い上がる動きはなく、持高調整の売り買いが中心で寄り付いた後は方向感に乏しい展開となったものと思います。昨日も東証一部の売買代金が3年ぶりの低水準となるなど季節的な要因と不透明感が強いことで売り買いが手控えられているということなのだと思います。

 米国株高についていけずに大幅高とはなったものの盛り上がりに欠ける展開となっています。ここのところ指数は寄付きだけの動きという感じで、日中の値動きが小さくなっています。外国人がクリスマス休暇に入り、機関投資家も動けず、個人投資家もここまでくると特に買い急ぐ動きも売り急ぐ動きもなく、証券会社ディーラーは存在感が薄れており、全く盛り上がらない相場展開となっているのでしょう。いつもこのコラムで述べていることですが、市場参加者の種類が限られていることで市場が一方向の動きしかとれないということなのでしょう。

 市場参加者が見ているものも、目先の値動きだけということで先を見る投資がみられないということでしょう。一昔前であれば、この時期になると「掉尾の一振」という期待や「持ちつき相場」がどうしたとか、「株を枕に年を越す」などということも言われましたが、そういう意味では先物・オプションのSQ(特別清算指数)やクリスマスは気にしても年末・年始はあまり気にしないということなのではないかと思います。ここ何年かの相場は12月もSQが終わると閑散として動きがないということが多いような気がします。

 大納会も大発会も1日立会いとなり、年末も30日までの取引となると、年末・年始気分も盛り上がらないということではないかと思います。昼休みを短縮しても全く売買高が増えるわけでもないのと同じで、年末年始の半日立会いをなくすとか、高速売買システムを導入し、市場参加者を限定してしまうようなことが本当に株式市場の活性化につながらないということをしっかりと頭にいてれもいいと思います。「世界的な基準」も良いのですが日本独自のものを出すことで盛り上がるということもあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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