株式投資とFXって、どんな違いがあるのですか?教えて岡村先生! お金のことアレコレ(2)(5/5 ページ)

» 2011年12月21日 08時00分 公開
[岡村さとみ,土肥義則Business Media 誠]
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値動きに一喜一憂してはいけない

岡村:投資を始める前に「10年で年率5%のリターンを得ることができればいい」と思っていれば、少し下がっても慌てる必要はありません。株式市場というのは、短期的には人の気持ちで動きますが、人の気持ちも10年くらいすれば落ち着いてきます。

A:失恋して「もうだめ〜」と思っても、10年くらいしたら忘れちゃいますから(笑)。

岡村:ものすごくモテる人に、モテる秘けつを聞いたところ「女性が一番落ち込んでいる時に、支えとなってあげる。つまり投資で言えば、“安くなった時に安値で買うのと同じ”」と言っていました。

A:えーっ、それってひどーい。女性が悩んでいたら「あ〜、株が落ちている」と見ることですよね。

岡村:ハハハ。例えがあまりよくなかったかもしれませんね。僕が言いたかったことは、投資の世界でお金を稼ぐ人は、逆の発想をしている人が多いということ。「みんながダメだあ」と嘆いているときに、「割安だ! どんどん買おう!」と思っているんですよ。

 初めて投資をする多くの人は、人気絶頂期の高値で買うことが多いですね。でも、そうした投資をしていれば、もうけることは難しいでしょう。

A:メディアで騒がれ始めたら、すでに上がり過ぎているってことですか? 難しいなあ。

岡村:「投資のプロ」と呼ばれている人でも、売り買いのタイミングで失敗することは多い。個人投資家というのはプロではありません。なのでいろいろな商品を幅広く持つことがポイント。株式や債券などを組み合わせて持っていれば、値動きに一喜一憂することもあまりありませんから。

 今、「欧州が大変だ」「リーマンショックの再来ではないか」という人がいます。しかし「自分は10年くらい保有するので……」といったスタンスであれば、慌てなくてすみますよね。

A:確かに。

岡村:リーマンショックのときには「100年に1度の危機」と騒がれていましが、実はそんなことはありません。米国株式の歴史は200年くらいありますが、リーマンショックくらいの暴落は20〜30年に1回くらいは起きていますから。

A:ということは私が生きている間に、もう2〜3回は暴落するということですか?

岡村:その可能性はありますね。ただもし起きたとしてもパニックになる必要はなくて、「それでも利回り5%ぐらいのリターンはある」と気楽に考えて、投資を続けることが大切でしょうね。

A:勉強になります〜。

続く

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岡村聡(おかむら・さとし)

東京大学工学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。経営コンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、国内大手PE(プライベートエクイティ)ファンド、アドバンテッジパートナーズに勤務する。その中で、「低迷する日本経済」「社会保障制度の崩壊」を見て、「今、自分がほんとうにやるべきことは何か」を考え抜いた結果、2010年6月に退社。妻と2人で、株式会社S&Sinvestmentsを立ち上げる。2011年6月に初めての著書『20代で知っておきたいお金のこと』を出版。

金融のプロとして培った最先端のスキルを、若い世代を中心とした個人のファイナンシャルリテラシー (お金に関する知識)向上に役立てるべく、セミナーやコラム執筆など多方面の活動を行なう。雑誌・ラジオなどメディアにも多数出演。


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