鈴木:しかし今はバグありのモノを出すのが大前提になっている。本当はバグはあってはいけないが、どうしても出てくる。問題があっても「ベータ版なので……」と言って、バージョンを上げていく。
「なにをやるか」というパッケージは完璧ではないが、「どうやるのか」ということについては山のようにツールがある。そして使えないものをはずしたり、もっと使いやすいものを入れたりする。「How」の部分をアップデートしていくと、最終的に完璧なパッケージは出せないかもしれませんが、高い確率で一定の運用実績が出てくるのかなあと思っています。
30代に必要なことは、ビジョンを語ることではなくて、「手段」を作ることかもしれません。
津田:そうだと思いますね。30代は経験もあるし、知識もあるし、いろいろなことを生かせる立場になっている。お金も多少の余力があれば、「プロボノ」っぽいこともできますしね。
(続く)
津田大介(つだ・だいすけ)
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事。J-WAVE『JAM THE WORLD』火曜日ナビゲーター。IT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行う。ネットニュースメディア「ナタリー」の設立・運営にも携わる。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社)、『未来型サバイバル音楽論』(中央公論新社)など。
鈴木謙介(すずき・けんすけ)
1976年福岡県生まれ。関西学院大学 社会学部 准教授。専攻は理論社会学。情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論研究を架橋させながら独自の社会理論を展開。著者『カーニヴァル化する社会』(講談社)以降は、若者たちの実存や感覚をベースにした議論を提起しており、若年層の圧倒的な支持を集めている。著者は『サブカル・ニッポンの新自由主義』(筑摩書房)ほか多数。現在、TV・ラジオ・雑誌などを中心に幅広いメディアで活躍中。最新刊に『SQ “かかわり”の知能指数』がある。
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