中高年と若者との会話が、噛み合わない理由津田大介×鈴木謙介、3.11後のメディアと若者(4)(2/4 ページ)

» 2011年12月16日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

中高年に足りないもの

鈴木謙介さん

鈴木:今の若者は「保守化」「草食化」などと言われています。しかしそうした分析は、「読み間違っているのでは」と感じています。

 例えば「今の若者は海外旅行に行かない」と指摘されると、「昔と今は条件が違うので」と答えることができる。でもその前に、海外旅行に行かないことが問題であれば、「海外旅行に行かせるためにどうすればいいのか」――このことを考えることが大切です。

津田:そうですね。

鈴木:「今の若者は草食化している」ということが問題であれば、どうすれば肉食化できるのかを考えてほしい。要するにどうすればできるのかという「How」の部分が抜け落ちているんですよ。なので文句を言うだけで、終わってしまっているんです。

 一方、文句を言われる側も言われるだけなので、「分かってねえなあ」といった感じで終わってしまう。

 「How」のことを考えるのは、本来楽しいはず。起業したり、人と関わるというのは「How」の部分を考えるということ。もちろん失敗することもあると思いますが、「How」の部分を考えることは基本的な価値観だと思うんです。中高年の多くは、この「How」の部分が抜け落ちているなあと感じています。

津田:なるほど。

鈴木:また「中高年の人たちの語り方にも問題があるのかなあ」とも思っています。彼らは、難しいことを「What」で語るのが好きなんですよ。「これは何か」と聞かれ、分析するのはとても好き。しかし「どう使うか」「どうするのか」という話は、俗っぽいので嫌い。「ちょっと程度の低い話ではないか」と見ているのかなと。

 逆に若い世代は「What」の話よりも、「How」の話に興味を持つ人が多い。なので中高年の人たちは、もっと「How」の部分を語ってほしいなあと思っています。

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