週末の大幅高の反動もあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月13日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8653.82△117.36

<TOPIX>746.69△8.57

<NYダウ>12021.39▼162.87

<NASDAQ>2612.26▼34.59

<NY為替>77.90△0.27

欧州首脳会議への失望から欧州金融不安が再燃、週末の大幅高の反動もあって大幅下落

 欧州首脳会議の結果について格付け会社各社が厳しい見通しを表明、格下げ懸念が強まって欧州金融不安が再燃、嫌気する売りや先週末の大幅高の反動から売りが嵩み、大幅安となりました。米国内では半導体株の売上高見通しが下方修正されたことも、欧州金融不安が世界的な景気鈍化につながり、ドル安効果も薄れるということを証明したような格好となり、幅広く手仕舞い売りや見切売りが嵩み大幅下落となりました。

 一方で、クリスマス商戦に期待する動きや好決算を受けての増配の発表などもみられ下げ渋るものもあったのですが、先行きに対する懸念が依然として根強いと言うことでしょう。センチメントも好転しかけているのですが、FOMC(公開市場委員会)を前に欧州での金融不安に敏感に反応することになったものと思います。米国内での景気鈍化懸念はかなり薄れてはいるのですが、半導体株の慎重な見通しに見られるように欧州の金融の混乱が新興国の成長率鈍化に結びつき、それが米国企業の業績にも影響があるということなのでしょう。

 個別には欧州での格下げ懸念が強まったことでシティーグループやバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスといった金融株が軒並み大幅下落、10−12月期の売上高見通しを下方修正したインテルも大幅安となりました。連れてアップルやIBMなどハイテク銘柄も全般的に軟調となり、欧州の格下げからの信用収縮懸念から金や原油先物が軟調となったことでエクソン・モービルなど石油株も軟調、パブリック・ゴールドが大幅安となるなど金鉱株も売られました。アルコアが大幅安、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感株も総じて安く、ボーイングは増配を発表したのですが、下げ渋ったものの手仕舞い売りに押されました。クリスマス商戦に対する期待もあってウォルマートやホーム・デポなども下げ渋りとはなったのですが軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の大幅下落の反動や米国株高を受けて買いが先行、大幅高の始まりとなり、相変わらず方向感に乏しい値動きの小さな展開となりました。先物には手仕舞い売りなども見られましたが、総じて堅調となり、業種別に売り買いされるとかテーマを決めて物色されるということでもなく、指数を押し上げました。外国人も買い越しと伝えられたことで、買戻しを急ぐ動きや値頃感からの打診買いなどもみられたのだと思います。

 米国株が大幅下落となったことやユーロが大きく下落したことっから売り先行となりそうです。世界的に景気鈍化懸念も強まったことで、景気敏感の主力輸出株なども売りが嵩んでくると思われます。米半導体株が売り上げ見通しを引き下げたことや新聞でも世界的な景気鈍化懸念が報じられていることもあり、割安感が強い銘柄でもいったん見切売りや手仕舞い売りに押されることになりそうです。幕間つなぎ的に為替や景気の影響の少ないディフェンシブ銘柄や値動きの良さが好感されるような小型銘柄が物色されるかもしれませんが、昨日の反動もあって総じて軟調となりそうです。

 8500円〜600円水準での値固めが続いている感じですが、本日も8500円台では売りにくい展開になるのではないかと思います。米国株などに比べて戻りが鈍い分、下落局面でも一気に節目とみられる8500円〜600円水準を割り込み難く、値固めと言う状況が続くと思います。年内ということでみてもちょうど昨年と同じように、閑散小動きということになり、参加者の少ない中で指数が大きく方向を持って動くということでもないと思います。引き続き8000円台後半での動きとみておいて良いのだと思います。

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