ボーナスが支給されたら、すべきこと吉田典史の時事日想(1/4 ページ)

» 2011年12月09日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 ボーナス(賞与)が支給される時期だ。その明細書を見て喜ぶ人もいるだろう。だが、ここで一喜一憂することは好ましくない。この機会に、上司と自らの評価について話し合いをすることを勧めたい。そこで私が会社員の頃、特に30歳くらいまでに数回、試みたことを紹介しよう。

上司と自らの評価について話し合う

 前提として上司が部下を評価し、その結果により賞与の額が変わる賃金制度の下で働いていることとする。人事評価が上司などからフィードバックされる会社もあるが、そのような場合も再び、上司と話し合うことを勧めたい。フィードバックしている会社を取材したところ、いわば"建前論"的に行っているところが多かった。上司が部下に結果を伝えて「今後、がんばろうね」的なニュアンスで終わっているのだ。

 部下は上司と話し合う前に、理想を言えば評価制度を知るべきであるが、無理をして制度を知る必要はない。ただし、他に人がいないときや場所を選んで話し合いたい。皆の前では、タブーだ。

 上司にはまず、こう切り出そう。「今回、このような額の賞与をいただきましたが、いろいろとありがとうございます。今後のこともありますから、私の改善点などをお教えいただけないものでしょうか……」。常識であるが、まずはお礼を伝えること。そのうえでポイントは、「改善点などを……」のくだりである。避けたいのは「なぜ、このような額になったのか」とか「どうしてこの評価になったのか」ということ。これでは追及でしかない。

 上司はあいまいな回答をするはずだ。例えば、「今期、君はがんばったから……。まぁ、そのあたり(額のこと)になるだろうな」ぐらいだろう。ここで「なぜ、ハッキリとお答えいただけないのですか」と詰め寄る人がいる。実は、私も20代の頃、そのタイプだった。

 そんな問いをしても、意味がない。いったん下された評価は覆すことができない。むしろ、上司が自分のどこに目をつけて、どのような評価をつけたのかを探ることに徹するべきだ。できれば、業績評価から聞きたい。前回の記事で紹介した通り、大多数の会社は業績と行動(プロセスなど)の2つの軸で評価をしている。

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