ということで、iPhoneは3.5インチ、iPadは9.7インチ以上というジョブズ氏の意見に、私はとても同調している。どうせなら、アップルが今後考えるべきはiPhoneやiPadの外形すらも変更しないことだと、真剣に思っている。だがその一方で、電子機器の画面に関する議論はこれからどうなるのかというと、実は、ジョブズの否定した7インチ付近の画面サイズのあたりがとても興味深いと思っている。
今、便宜的に3.5インチ、7インチ、10インチの3つのカテゴリに分けてみる。例えば、3.5インチの端末は片手でも使えるが、7インチ以上は両手がフリーの状態でないと使えない。歩いている時や、信号などで立ち止まっている時には、7インチはリュックやショルダーバッグで両手が空いている人しか使えない。持っているカバンを置けば両手がフリーになる場合もあるが、逆に電車の吊り革につかまらなければならない時は、片手がふさがってしまう。
一方、これらの情報端末を「すぐに出せる」「カバンから出る」「家に置いてある」など、すぐに使えるかという意味でのアベイラビリティとでも言うべきものも、需要なファクターだろう。そこで、男性を例に、カバンに端末を入れている場合やカバンの外側のポケット(カバンを開けなくとも取り出せる場所)に入れている場合、ジャケットのポケットに入れている場合、そしてワイシャツやズボンのポケットの中にある場合に、それぞれすぐに出して使えるかを考えてみることにする(女性の場合はカバンから取り出すことが多いだろうが)。
次図はそうした関係を表にしてみたものだが、移動中に使いものになるのは、3.5インチだという結論になりそうな案配である。7インチも、電子書籍の閲覧などに関しては、片手で操作できるような機能が欲しいことも分かる。要するに、7インチを便利に感じるのは、ジャケットにリュックという都市型ビジネスマンのイメージだろう。あるいは、スマートフォンの画面でも情報に触れる量が足りないと感じているような、インフォメーションジャンキー(情報オタク)である。
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