昨日の大幅安の反動やSQへの思惑から買われ大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月07日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株はまちまちでしたが、昨日の大幅下落の反動から買いが先行、堅調な展開となりました。先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑や先物・オプションの最終売買日に絡む思惑などで指数が振らされる場面もありましたが、相変わらず閑散とした相場展開の中で腰の据わった買いもなく、逆に売り急ぐ動きもなく、目先の需給だけで右往左往しているというような動きになりました。欧州金融不安や世界的な景気鈍化懸念は根強いものの、悲観一色ということでもなく、売り飽き気分もあって、材料に反応するということも少なく、指数は寄り付いてからは相変わらず小動きとなりました。

 買い上がる材料に乏しく、売り急ぐ材料にも乏しいというような相場が続いています。ちょうど昨年も今頃も米国株式市場が好調なクリスマス商戦やQE2(量的緩和)の恩恵を受けて買われ、順調に右肩上がりの相場となっており、日本市場もSQまでは米国株式の上昇に連れるように順調に戻す相場となっていました。ただ、SQが終わるとクリスマス=年末・年始休暇入りとなって、ほとんど値動きはなく、閑散としたもみ合い相場となりました。

 年が明けてから順調に戻りを試す動きとなったことから、今から考えると12月後半のもみ合いは「絶好の買い場」であったわけですが、やはり「株を枕に年を越す」ということもなく、年内に売りも買いも手仕舞っておくという動きになっていたのです。今年も何となく同じような雰囲気ではないかと思います。QE3がみられたわけでもなく、昨年の今頃はそれほど欧州金融不安についても騒いでおらず、状況はかなり違うのですが、季節的な需給要因は変わらないのではないかと思います。

 相変わらず目先筋の売り買いが中心で毎日寄り付きの売り買いが一巡となった後は大きな動きもなく、ちょっと動きがみられるとすぐに理由を探しては「アジア株が云々」などというコメントが多くなるのですが、年末を控えての特殊要因で目先の需給に変化がみられることも多いと思われ、大きな流れでも変化に乏しい展開となるのだと思います。特別にこれまでの円高傾向が終わる確認ができたというような材料でもない限り、8000円台後半でのもみ合いが続くのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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