週末の手仕舞い売りに押されて冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月05日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8643.75△46.37

<TOPIX>744.14△4.13

<NYダウ>12019.42▼0.61

<NASDAQ>2626.93△0.73

<NY為替>77.98△0.30

失業率の低下を好感して買い先行となるも、週末の手仕舞い売りに押されて冴えない展開

 先週末の米国市場は欧州金融不安が一段落となったことや注目された雇用統計で非農業部門従事者数の増加はほぼ市場の予想通りでしたが、失業率が大幅に低下、2009年3月以来の水準となったことが好感されて買い先行となりました。ただ、まだまだ予断を許さない欧州事情に加え、大きく上昇した週の週末ということで手仕舞い売りも多く、買い一巡後にいったん上値の重さが確認されると手仕舞い売りや見切売りも嵩んで上げ幅を縮小、ダウ平均は小幅安、ナスダック指数は小幅高とほぼ横ばい水準で方向感に乏しい展開となりました。

 クリスマス商戦の先行きを懸念する声も聞こえますが、景況感も悪いということでもないこともあって、失業率の大幅低下に反応する格好となりました。今後も足元の景況感や雇用情勢などの動向に敏感に反応することになるのでしょうが、クリスマス商戦の行方や中国の景気動向など新興国の経済動向などを見極めながら、クリスマス休暇モードとなってくるのでしょう。QE3(量的緩和)の話題もあまり聞こえなくなりましたが、それだけ足元の景況感は悪くないということだと思います。

 個別には急騰した週末ということで手仕舞い売りに押されるものも多く、金先物価格が上昇したにもかかわらずパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは軟調、景気鈍化懸念も薄れたのですが、キャタピラーやインテルは軟調、GE(ゼネラル・エレクトリック)やIBM、アルコアは堅調とハイテク銘柄や景気敏感株はまちまちとなりました。欧州金融不安が薄れたことでシティグループやJPモルガン・チェースが大幅高、バンク・オブ・アメリカも堅調と、金融株は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株なども方向感に乏しかったこともあり、閑散小動きとなりました。堅調とはなったのですが、週末ということもあり手仕舞いの売り買いが中心であり、指数は方向感のない展開となりました。米雇用統計の発表を控えて積極的な売り買いも手控えられ、前日の大幅高を受けての手仕舞い売りも嵩んで上値も限られ、逆に少し上げ幅を縮小するようなところでは買戻しも入るというような状況でした。

 注目された米雇用統計は失業率が大幅に低下、景気鈍化懸念も一段落となったことから日本市場も引き続き売られすぎた銘柄の修正はみられ、堅調な地合いは期待されます。ユーロも戻り歩調となり、輸出企業への過度な懸念は薄らいだのではないかと思います。タイの洪水の影響は大きいものの回復の方向には向かっており、懸念材料も徐々に解決に向かい、見直し買いも期待できそうです。ただ、先週の大幅上昇の反動や週末の米国市場が冴えない展開となったことなどから上値も限られ、相変わらず方向感に乏しい展開となりそうです。幕間つなぎ的に電池関連銘柄や太陽光発電関連銘柄などで値動きのいい銘柄が物色されるのではないかと思います。

 8500円〜600円水準での底堅さを確認するような格好となりそうです。円高がさらに進む懸念も薄れたことから慌てて売るようなこともなく底堅さはみられるものと思いますが、上値の節目である8800円〜900円水準に突っかけるには材料不足ということでしょう。欧州問題や円高懸念、米国や中国などの景気鈍化懸念など問題山積ということでの8000円台前半でのもみ合いから、懸念材料が薄れたことで8000円台後半のもみ合いに移行する端境期ということなのでしょう。

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