景況感も好悪入り混じってまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月02日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8597.38△162.77

<TOPIX>740.01△11.55

<NYダウ>12020.03▼25.65

<NASDAQ>2626.20△5.86

<NY為替>77.68△0.08

前日の大幅高の反動から上値も重く、景況感も好悪入り混じってまちまちの展開

 引き続き欧州金融不安は薄れたのですが、前日の大幅高の反動や朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を上回り雇用の悪化が懸念されたことから上値も重く、手仕舞い売りに押されるものも多くなりました。ただ、午前中に発表されたISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況感指数が予想を上回って改善したこともあり、堅調となる場面も長く、ダウ平均は軟調となったのですが、ナスダック指数は堅調となりました。景気鈍化懸念は薄れたものの、週末の雇用統計を見極めたいという動きもあって手仕舞い売りも多かったものと思います。

 これまで景況感など「ソフトデータ」は芳しくなく、統計などの「ハードデータ」が比較的好調という展開でしたが、ここへ来て景況感も好転しているようです欧州での金融不安の米国経済への波及も限定的とみられていることやクリスマス商戦や新車販売が好調となっているように、金融緩和効果もあって消費も堅調ということもあるのだと思います。景気の二番底に対する懸念も薄れており、基調は強含みと見ても良いと思われます。

 個別には11月の既存店売上高が予想を上回ったコストコ・ホールセールは堅調、前年同月比で予想に反して減少となったコールズは大幅安となりました。ドイツのメルケル首相がユーロ共同債について改めて否定したと伝えられたことや前日の大幅高の反動からJPモルガン・チェースやシティグループなど金融株は軟調となるものが多くなりましたがバンク・オブ・アメリカは堅調となりました。原油や金の先物など商品相場も手仕舞い売りに押されたことからエクソン・モービルなどの石油株やパブリック・ゴールドなどの金鉱株も軟調、インテルやアップル、IBMなどハイテク銘柄は世界的な景気鈍化懸念が一服となったこともあり、手仕舞い売りをこなして堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となったことを受けて買いが先行、大幅高の始まりとなりました。寄り付きからの買いが一巡となった後は上値も重く、指数は小動きとなりましたが、売買高も膨らみ、本日の安値水準で引けましたが大幅高となりました。為替は大きな動きもなく、指数の日中の動きは狭い範囲での動きとなりましたが、底入れ感が強まった感はありそうです。

 米国市場はまちまちで方向感はなく、米雇用統計の発表を控えた週末ということや前日の大幅高の反動から少なくとも上値の重い展開となりそうです。世界的な景気鈍化懸念や大きくユーロが売られる懸念などは薄れており、改めて売り直すようなこともなく、週末の持高調整の売り買い=目先の需給に振らされることになりそうです。まだまだ円高水準ということもあり、昨日までしっかりと戻った主力輸出株などは買い戻し一巡後の手仕舞い売りがかさむ可能性もたかそうですが、総じて方向感に乏しい展開となりそうです。

 8500円〜600円水準で上値の重さを確認することになるのか、下値固めとなるのか、いずれにしても8500円〜600円水準でのもみ合いとなりそうです。為替が大きく円高に振れるようなことがなければ8500円〜600円水準での下値固めとなるのでしょうが、更なる円高が懸念されるようなことがあれば、この節目を「抜け切れない」ということになりそうで、再度8200円〜300円水準の下値を試すことになりそうです。ただ、8500円〜600円水準で底値固めとなっても当面は円安に大きく振れることでもないと8800円〜900円水準が上値となるのでしょう。

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