いかがだろうか。私は学生時代にこの本を読んだ。当時は岩田氏の考えに違和感を覚えたが、いまは納得できる。冒頭で述べたコンサルタントはここで言う「訓練と経験によって現実に到達しえた能力のレベル」、つまり、米国流の能力観に影響を受けているのではないかと思えた。
私はその考えには与しない。むしろ、岩田氏の指摘する、次の言葉に共感する。「能力は、訓練や経験によってさらに開発されるべき、ある潜在的な力であり、したがって、ただちに実用に役立つ力、つまり"実力"とは考えられていないこと」
この能力観であるからこそ、多くの日本企業では行動評価に重きが依然として置かれているのだろう。そして「実力がある」という表現は、この能力観に合致した社員にこそ、ふさわしいものなのである。
あなたが考える、会社員の実力とはどのようなものか。
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