金融緩和が進み、米雇用機前期待も強まり、大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月01日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8434.61▼43.21

<TOPIX>728.46▼1.22

<NYダウ>12045.68△490.05

<NASDAQ>2620.34△104.83

<NY為替>77.60▼0.31

中国の預金準備率引き下げや日米欧の潤沢なドル資金の供給など金融緩和が進み、米雇用機前期待も強まり、大幅高

 中国が預金準備率を引き下げ、金融緩和方向に進んだことや日米欧の中央銀行が協調してドル資金を供給するなど世界的な金融緩和が進んだことや米ADP雇用リポートで民間雇用者数が予想を大きく上回って増加したと伝えられたことも買戻しを急がせ、底入れ感を強める要因となりました。欧州金融不安も薄れ、信用収縮懸念も薄れたことで足元の好調な業績を見直すような雰囲気も出てきたということなのでしょう。

 欧州金融不安や中国の景気鈍化懸念、そうして足元の景気動向は好調ながらも雇用問題などや世界的な景気鈍化懸念から買えなかった米国株も改めて見直し買いが入ったということでしょう。ドル安メリットなどもさらに出てくる可能性もあり、底入れ感が強まって売られすぎの修正や足ともの業績を見直す動きになるとさらに底入れ確認となるというような展開となってくるのではないかと思います。中国の経済指標や米国の経済指標が芳しくないと言うことへの布石なのかもしれませんが、世界的な景気後退(リセッション)回避への機運は盛り上がってきていると思います。

 個別には欧州金融不安が薄れたことでシティグループやバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなど銀行株が軒並み7〜8%高く、世界的な景気鈍化懸念が薄れたことでキャタピラーが8%、アルコアは7%、フォード・モーターは6%、インテルは5%と景気敏感株も揃って大幅高となり、信用収縮懸念が薄れたことで原油や金など商品相場が高く、エクソン・モービルなど石油株、パブリック・ゴールドなど金鉱株も軒並み4〜5%高くなりました。ホーム・デポやウォルマートは既に買われていたということもあり、上げ幅は少なかったのですが、ダウ採用30銘柄は全て高く、ほとんどの銘柄が大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株に方向感が見られないなかで前日の大幅高の反動もあって売り先行となりましたが寄り付きの売りが一巡となると指数はほとんど動かず、方向感のない展開となりました。昼の時間帯に先物から売られ一段安、大幅下落となる場面もあったのですが、月末のお化粧買い期待もあって底堅く、最後は買戻しも交えて戻り歩調となり、戻り切ることはなかったものの高値引けとなりました。

 米国株が大幅高となったことから日本市場も大幅高となりそうです。対米ドルでは円高になったのですが、ユーロなどその他の通貨に対しては円安となったことも買われる要因となりそうです。中国の経済指標なども発表されますが中国で金融緩和の方向がみえてきたこともあり、悪ければ悪いでよくなるまで金融緩和が続くということで問題視されることもないと思われます。世界的な株安の底入れ感も強まっており、主力銘柄を中心に総じて大幅高となって来そうです。売られすぎた銘柄、昨日も冴えない動きとなった銘柄などが買い直されるのだと思います。空売りの多い銘柄などは一斉に買い戻しが入る可能性もありそうです。

 今度は上値の節目である8500円〜600円水準を試す動きとなりそうです。いったん8600円水準を抜けるような場面では手仕舞い売りなどに押さえられそうですが、次に8500円〜600円水準での底堅さを確認しながら、次の節目である8800円〜900円水準を目指すことになりそうです。9200円〜300円水準の節目まで戻すにはこれ以上の円高がないことが確信されるまでは難しいのだと思います。

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