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» 2011年12月01日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:“レディー・カガ”に続け! 温泉地を沸騰させるプロモーション (1/3)

絶妙なダジャレで日本の一部を震撼(?)させた、加賀温泉郷の“レディー・カガ”キャンペーン。震災や原発事故で観光客が減少する中、温泉地はどのようにプロモーションすればいいのだろうか。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 近々、中部地方のある温泉に出かける。の〜んびりホっとひと息、だといいのだが、残念ながら仕事。気楽に温泉三昧を楽しめる身分ではないのだ。

 「温泉地の施設を利用してアートイベントを開き、地元の人々と“観光地起こし”を仕掛ける企画を考えてほしい」という要望に応えて、相棒cherryさんと出かける。彼女とはコンビでいくつもコンサルをしていたし、ギャラリー運営とクリエイター支援をしているのでハマり役ではある。

 その温泉地は泉質が良く効能もたっぷり、雪質も良くスキーもすいすい。県内では評価が高いエリア。ところが、首都圏から見て「あそこに行こう」とすぐに思いつかないのだ。草津や箱根湯本、熱海や鬼怒川など著名温泉がある中、「なぜそこに行くのか?」という理由に乏しい。観光経済新聞社の「にっぽんの温泉100選 知名度ランキング(参照リンク)」でも中位に低迷している。

 実はここだけじゃない。多くの温泉街が知名度の低さを憂い、魅力を伝えることに四苦八苦している。さらに、震災と原発事故のダブルパンチに見舞われている日本。国内外の宿泊客が減少して、旅館の倒産も続発。せっぱ詰まっているのだ。

 そんな中、クリーンヒットしているプロモーションが“レディー・カガ”。ガガじゃない。カガ(加賀)のレディーである。

Lady Kaga(レディー・カガ)「登場」篇 60秒 Japanese Version

 レディー・カガは石川県の加賀温泉郷の旅館組合青年部が仕掛けたプロモーション。ガガと加賀をかけたネーミングは秀逸で、それ一本という感じもするが、動画の出来はいいし、ポスターやFacebook(参照リンク)展開も見事。

ah_poster.jpg レディー・カガのポスター

 加賀温泉郷も首都圏での知名度不足が課題だった。石川県の統計によると加賀への観光客の割合は「県内=60%、関西=20%、関東=5%」で、金沢や能登の「関東からの観光客=15%前後」とは対照的。大阪・京都からは特急サンダーバード1本で来れるが首都圏からは遠い。2014年の新幹線開通を機に集客増を図りたい。問題は知名度だ。

 そこで生まれたのが、起死回生の一手のダジャレである。登場するのは現役の仲居さんや芸妓さんら加賀美人。ダジャレ1つで加賀温泉郷(粟津・片山津・山代・山中の4温泉の総称)は日本に広まり、英語版「Lady Kaga Welcome to Kaga Spa resort」によって世界にも広まる。

ah_face.jpg レディー・カガのFacebookページ

 ガイジンもニホンジンも、来てもらおうとするとやっぱり知名度が大事。温泉地のプロモーションはどうあるべきか? 湯煙ホットな事例を挙げてみよう。

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