昨日の大幅高の反動から売られるが方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月30日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場も強弱の要因が交錯し方向感に乏しい展開でしたが、日本市場はそれでなくても閑散小動きが続いているなかで、海外要因でも手掛かり材料に乏しく、方向感のない冴えない展開となりました。午前中と午後と水準を若干変えたのですが、どちらも日経平均で20円足らずの範囲での動きが中心となるなど閑散小動きとなりました。為替は円安に振れるような場面もあり、売られ過ぎ銘柄の水準訂正などもあったのですが、先行き警戒感も根強く、月末のお化粧買い期待もあって、軟調、大幅安ながらも小動きとなりました。

 昨日は何だかわけも分からず大幅高となり、本日はわけも分からず大きく売られる場面もありました。持高調整などの目先の需給に振らされているということなのでしょうが、寄り付いてからの値動きはほとんどみられず、目先筋の売り買いでさえもろくにもうからないのではないかと思われるような状況でした。買っても売っても儲からず、ここで儲かっているのはオプションの売りだけということなのではないかと思います。

 オプションは「買いは損失限定、利益は無限大」であり、「売りは損失無限大、利益は限定」ということなので、買いがやり易いということもあるかもしれません。ただ、逆に「損失無限大」とはいうもののヘッジやロスカットなどで無限大の損失を限定すれば、売り方有利という状況になるのです。オプションの組み合わせや先物のヘッジなどを組み合わせれば大きく損をすることも少ないようなポジションを取ることもできると思います。

 ただ、あくまでも「理論上」というようなことも多く、流動性の問題や満期までの時間的なリスクなどをしっかりと考えておいた方がいいのだと思います。あまり難しく考えることは必要ないと思いますが、どういう状況になるとどんなリスクがあるのか、などとしっかりとリスクを把握して取引をする必要があると思います。ただ、これだけ動きの無い相場が続いて「オプションしかない!」と思ったところからしっかりとトレンドが出るという可能性もありそうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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