誰のためのサービス? 茶店がのぼりに「お休み処」と書くワケ(1/2 ページ)

» 2011年11月30日 08時00分 公開
[安田英久,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:安田英久(やすだ・ひでひさ)

インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長。プログラミングやサーバ、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在、Webサイト「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるウェブサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開している。


 私は企業に資料を見せてもらいながら話を聞いたり、企業が行うセミナー情報を見たりすることが多いのですが、意外とピンと来ない場合が多いんですよね。そういう「分かりづらい」ものとして、次のようなパターンがあります。

  • 製品情報で「こんな機能がある」「こんな技術的特徴がある」といったことを延々と説明している
  • セミナー情報の冒頭で、開催の背景を延々と解説している

 これらは「提供側の考えること・思い」なんですよね。それが不要だとは言いませんが、もっと「受け手側にとってどうなのか」を押し出すようにしませんか?

 具体的には、受け手にとって、その製品を導入したりセミナーを受けたりすると「私のどんな問題を解決できるのか」「私がどんなことをできるようになるのか」「私にどんなメリットがあるのか」を、分かりやすい場所に明記しましょう。

 「こんなニーズをお持ちではないですか? これで実現できますよ」

 「こんなことで困っていませんか? これで解決できますよ」

 そうしたことを前面に押し出すことで、受け手は「ああ、これは自分向けだ」と自分事(じぶんごと)化できるようになるのです。

 あるビジネスセミナー情報サイトでは、セミナー情報の入力テンプレートに「このセミナーを受講すると、こんなスキルが身に付きます」「セミナーの対象者はこんな方です」という項目があり、その2点がセミナー情報の先頭に表示されるようになっています。これも「誰が、どんなことを達成するためにセミナーを受講するのか」を押し出すための良い仕組みですね。

 製品やサービスやセミナーでは「誰のどんなニーズや悩みに向けたもので、購入・利用・受講する前と後では何が変わるのか」を設計していますよね。それをちゃんと書けばいいのです。もしそういうことを考えていないのならば、原点に立ち返って、そこを検討しましょう。細かい機能や技術的なポイントは、それでツカんだあとに解説していけばいいのです。

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