欧州金融不安の後退や米クリスマス商戦が好調で大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年11月29日 07時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9287.49△127.48

<TOPIX>715.70△9.10

<NYダウ>11523.01△291.23

<NASDAQ>2527.34△85.83

<NY為替>77.96△0.25

欧州金融不安の後退や米クリスマス商戦が好調ということを受けて大幅高

 欧州金融不安の解決に向けた対策が近い将来に打ち出されるとの見方が浮上し、欧州各国の国債入札が順調に進み、債券市場も落ち着いたことから欧州株が大幅高、その動きを受けて米国市場も買い先行となりました。クリスマス商戦が好調ということもあって、先週の大幅下落のなかでのヘッジ売りを含めた売り方の買戻しを急ぐ動きなどもあり、指数は大幅高となりました。午前中に発表された新築一戸建て住宅販売件数は予想を下回ったものの、特に問題視されませんでした。

 主要な経済指標などの発表も多い週であることから、欧州金融不安が薄れていったん買い戻しを急ぐ動きとなったものと思います。クリスマス商戦の出だしは好調ということで、今後は経済指標やその後のクリスマス商戦の動向などに振らされながら戻りを試すことになるのだと思います。欧州での金融不安が一段落となって来る可能性が高まり、世界的な景気鈍化懸念が薄れると売られ過ぎ銘柄の見直し買いなども含めて上値を試すことになるのでしょう。

 個別にはクリスマス商戦が好調ということでメーシーズやターゲット、アマゾン・ドットコム、ウォルマートなどといった小売株が堅調、キャタピラーやアルコアが大幅高、GE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーターも堅調と景気敏感株は総じて高く、欧州金融不安が一段落となったことからシティグループが大幅高、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースは堅調と、金融株も高く、インテルやアップル、グーグルが大幅高となるなどハイテク銘柄も堅調となりました。リスク許容度の上昇から金や原油の先物も高く、シェブロンやパブリック・ゴールドが大幅高となるなど石油株や金鉱株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国株が軟調となったのですが、クリスマス商戦が好調とのニュースやIMF(国際通貨基金)のイタリア救済の話題などから買いが先行、ヘッジ売りの買戻しや持高調整の買いも入って大幅高となりました。目先筋の手仕舞い売りなどもみられたのですが、売り急ぐような動きもなく最後まで値持ちの良い展開となりました。為替への反応もあまりなく、閑散小動きの中で値持ちの良い展開でした。

 米国株が大幅高となったことや為替も円安に振れたことから買い先行となりそうです。ただ、昨日の相場で既に先取りするように大幅高となっていたことからある程度は織り込まれているものと思われ、上値も限られてきそうです。日本の時間帯にさらに円安が進むようであれば、欧米の景気鈍化懸念が薄れたということになり、上値を追うことになるのでしょう。引き続き昨日と同様に主力銘柄を中心に売られ過ぎの修正という格好で堅調となるものと思います。電池関連銘柄に再編の動きもみられ、値動きの良い電池関連や太陽電池関連なども物色されそうです。

 下値の節目とみられる8200円〜300円水準での底堅さを確認したことになり(多少の誤差はあったのですが)、今度は再度8500円〜600円水準の節目を目指すことになりそうです。現状の欧州金融不安が強く、欧米や中国での景気鈍化懸念が根強いなかではとりあえず下値を確かめる動きが終わったという段階であり、今後欧州金融不安や世界的な景気鈍化懸念が薄れてくれば8500円〜600円水準を抜け、これ以上円高に進まないことが確信されると8800円〜900円水準を抜けて9200円〜300円水準の節目を目指すことになりそうです。

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