FACTAより早く、オリンパス株を空売りしていたゴールドマンサックス(3/3 ページ)

» 2011年11月25日 11時35分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

ウッドフォード社長解任前に3社が大口の空売り主体として登場

 ゴールドマンサックスが最終的に20億円の利益をあげた空売りを仕掛けたのは、9月30日のこと。ウッドフォード氏のインタビューを読むと、この日、朝の役員会で10月1日付でのCEO就任が決まったということである。

 ウッドフォード氏はCEO就任前から疑惑について調査していたということなので、疑惑が白日の下にさらされる可能性が高まるという点でCEO就任は株価下落要因とも考えられる。9月30日のオリンパスの株価は午後から出来高をともなって大きく下落していたので、この辺りは何らかの情報が漏れていたのではないかという気がしないでもない。

 そして、大口の空売り主体として最後に登場したのがモルガンスタンレー(正確にはMorgan Stanley & Co. International plc)。驚くべきことに、初めて空売り主体として現れたのはウッドフォード氏解任前日の10月13日である。

※追記(17:48) ただし、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、UBSなどはプライム・ブローカー(参照リンク)としてヘッジファンドに対する資金調達・融資機能も担っているため、これらの取引がすべて自己売買部門によるものであるとは限らない。

 ウッドフォード社長解任後はストップ安、ストップ高を繰り返すマネーゲーム状態となっているオリンパス株。ICレコーダーなどでオリンパス製品を利用している筆者としては、早く問題が解決され、通常の企業運営に戻ってほしいと願うばかりである。

オリンパス株空売り残高状況(8月24日〜10月18日)

ゴールドマンサックス UBS モルガンスタンレー 終値 出来事
8月24日 2774400 2189
8月25日 2772600 2224
8月26日 2730521 2224
8月29日 2728921 2224
8月30日 2765381 2270
8月31日 2763981 2218
9月1日 2766681 2268
9月2日 2748081 2230
9月5日 2736681 2174
9月6日 2178
9月7日 2766581 2250
9月8日 2767181 2258
9月9日 2760981 2226
9月12日 2727081 2093
9月13日 2714981 2116
9月14日 2673281 2025
9月15日 2661381 2072 FACTAブログで阿部氏が再度宣戦布告
9月16日 2694281 2225
9月20日 2704481 2193 FACTA10月号発行日
9月21日 2713081 2287
9月22日 2712481 2226
9月26日 2736481 2272
9月27日 2744181 2390
9月28日 2786181 2415
9月29日 2788381 2448
9月30日 802400 2783081 2417 ウッドフォード氏のCEO就任が取締役会で内定
10月1日 休日 休日 休日 休日 ウッドフォード氏、CEO就任
10月3日 1170100 2736681 2306
10月4日 1180600 2712181 2272
10月5日 1046151 2690381 2275
10月6日 1100274 2719881 2358
10月7日 1078474 2736081 2416
10月11日 1051000 2716418 2423 ウッドフォード氏、菊川剛会長と森久志副社長(当時)に手紙を送る
10月12日 849651 2373
10月13日 836200 2725118 717300 2482
10月14日 758617 2634418 2164200 2045 取締役会でウッドフォード社長解任
10月17日 949108 2802918 3363000 1555
10月18日 1253400 3497518 3864300 1417 JPモルガン、AQRも空売り参戦

関連キーワード

| オリンパス


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.