感謝祭で休場、欧州株は買い先行となるもメルケル発言で軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年11月25日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8165.18▼149.56

<TOPIX>706.08▼11.71

<NYダウ>休場

<NASDAQ>休場

<NY為替>77.12▼0.18

感謝祭で休場、欧州株は買い先行となるもメルケル発言で軟調

 米国市場は感謝祭で休場となりましたが、欧州株式市場は前日の大幅下落の反動やドイツのGDP(国内総生産)伸び率が予想を上回ったこともあり、買い先行となりました。金融不安も一段落となり、いったんは落ち着いたという感じだったのですがドイツのメルケル首相がユーロ共同債の発行に改めて反対したことから売り直されました。まだまだ世界的な景気鈍化懸念や金融不安はぬぐい切れないのでしょうが、折に触れて取りざたされるものの見直される場面も多くなると思います。取りあえずはクリスマス商戦の動向をみながら、足元の景況感に振らされる展開となって来るのでしょう。

 これまでの世界的な株安の要因も、それぞれ出尽くし感や織り込み済みという展開になって来ると思われます。欧州の金融不安もECB(欧州中央銀行)による救済などから銀行システムの不安が拭えれば一段落となるのでしょうし、米国の景気鈍化懸念もQE3(量的緩和)期待と表裏であり、クリスマス商戦次第では昨年のような年末相場も期待されます。中国の景気鈍化も米国同様に金融緩和の催促という感もあり、金融緩和が示されれば再度盛り上がって来ると思われます。

 米国企業の足元の業績は決して悲観するほど悪いということもなく、先行きへの不安が増幅されて早めに手仕舞い売りが出ているということだと思います。今後も新興国の生活水準が向上していくなかで需要が拡大、ドル安効果もあって引き続き堅調な業績となるものが多いのではないかと思います。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安、世界同時株安を受けて売りが先行、大幅安となりました。寄り付きの売りが一巡となった後は戻りかける場面もあったのですが、戻りも鈍く、売買高も相変わらず盛り上がらず、冴えない展開となりました。為替も円高気味となったことや海外株の下げ止まる要因も見当たらないということで最後まで買い切れず、目先筋中心の市場で指数は方向感に乏しい展開となりました。

 欧州市場は相変わらず落ち着かないのですが、米国市場が休場となったことから日本市場は落ち着いた展開となってくるのではないかと思います。為替が大きく動くことがなければ、8200円を挟んでの底値固めということになりそうです。中国の金融緩和期待もあり、売られすぎの修正はみられるのでしょうが為替が円高気味であり、米国景気鈍化懸念も根強いことから、本格的な修正がみられるとしても欧米でのクリスマス商戦の出だしの動きを見てからということになりそうです。持高調整の売り買いが中心で方向感に乏しい展開となりそうです。昨日同様に幕間つなぎ的に為替や景気の影響の少ない材料含みの銘柄が物色されることになるのでしょう。

 下値目処とみられた8200円〜300円水準を割り込んだもののぎりぎりのところで踏みとどまった感じです。まだ8200円水準の誤差の範囲といえるのですが、8100円水準を割り込むと8000円割れ必至となり、8200円前後がいったんは上値ということになりそうです。買戻しなどで8200円水準までしっかりと戻るのかどうかが本日は注目されるところです。円高気味にもかかわらず若干でも戻るようであれば底堅さや売られすぎの修正となって改めて8200〜300円水準での底堅さを確認することになるのでしょう。

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