世界同時株安を受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月24日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となったことから日本市場も売り先行、大幅安となりました。それでも売り気配から始まった銘柄が切り返して堅調となる場面もみられるなど値ごろ感からの買い戻しもあり底堅さもみられました。年初来安値を下回る水準ではあるのですが、売り飽き気分もみられ売られすぎた銘柄などは下げ渋り、底堅さを確認して買戻しも入るという状況でした。大幅安には違いないのですが、パニック的な売りもなく比較的落ち着いた感じでした。

 ほぼ全面安となるなかで幕間つなぎ的に低位の材料株に高いものが目立ちました。目先の値動きについていくような向きが依然として多いということでしょう。ちょっとしたニュースで買いつく向きも多く、地合いの悪さもどこ吹く風という感じのものもみられました。ただ、こうしたニュースに飛びついてもそうした買いは長続きせず、その日のうちに利益を確保、あるいは損失を確定しておかなければ二進も三進もいかなくなるケースも多いと思われます。

 対面営業などで手数料が高いようなところではインターネット証券のように簡単に手数料を抜けるということもなく、低位株の幕間つなぎのような相場ではどうしても不利になってしまうと思います。ですから、そうしたコストもしっかりと考慮したうえで、ニュースなどに飛びつく必要があると思います。何でもかんでも、どんな水準であろうとお構いなしに飛びつくのではなく、飛びついて良いニュースかどうか考え、そして飛びついたとしてどれだけのリスクとリターンがあるのかを考えてから行動するべきでしょう。

 闇雲に好材料が出たからと飛びつくのではなく、自分が買った後にだれが買うのかをしっかりと考えることが大切です。自分が買ったあとに皆が買ってくるようでなければ、どんなに良いニュースでも好材料でも飛びついて利益を出すということは難しいと思います。逆張りの場合でも同じで、皆が売るから買うというだけではだめで、今の売りが終わったあとにまだ売りがでるのか、それ以上売りが出てくることはないのか、株価の水準、ニュースの中身などをしっかりと見極めてから買い向かう必要があると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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