コラム
» 2011年11月24日 08時00分 UPDATE

“孤の時間”が人を成長させる (1/2)

孤独は孤立を意味しない。むしろ真の孤独を知った人同士は、深く強く結ばれる。そのために私たちは、孤独にものを考える時間がいる。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 多くの現代人がなくしているものの1つに「孤の時間」があります。ここで言う「孤の時間」とは、自分1人になって何かを思索する時間です(1人になって漫然とダラダラ過ごす時間ではありません)。

 特に若い人ほど、孤独な時間を怖がるようです。あるいは、1人でいるのを何か友だちのないカッコ悪いこととしてとらえがちです。しかし、孤の時間を豊かに持つことは、友人・知人を多く持つことと同様に、人生にとって大切なことです。

「我々が一人でいる時というのは、我々の一生のうちで極めて重要な役割を果たすものなのである。或る種の力は、我々が一人でいる時だけにしか湧いて来ないものであって、芸術家は創造するために、文筆家は考えを練るために、音楽家は作曲するために、そして聖職者は祈るために一人にならなければならない」(アン・モロウ・リンドバーク著『海からの贈物』)

 歴史上のあらゆる偉業や名作には、たとえそれが複数の人間の手で成されたものであっても、根本は、1人の人間の「孤の時間」の中で芽生え、醸成され、決断された思考や意志が決定的に必要だったのです。

 「孤の時間」を持つために、私は2つのことを勧めています。

 1つは散歩すること。もう1つは、夜寝る前の30分間はテレビを消して、古典名著や偉人伝など大きな規模の本を読むことです。週1日でも2日でも、こうしたことを習慣にしてみると、3カ月もすれば自分が何か変わってくるのが分かるでしょう。そしてそれは5年、10年、20年の時間でみると、人生のコースを変える大きな力になります。

 思索といっても、眉をひそめながら何かを考え込むことでなくていいんです。想いや願い、アイデアを自由に伸び伸びとめぐらせることです。何か答えを見つけようとするのではなく、自分の思考空間が広がっている、深まっていることを楽しむことです。静寂さを滋養に変える体験をすることです。こうした祈りにも似た作業、思想の深呼吸をする暇(いとま)を持つことが今の日本人には必要です。

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