日本には現在、約3600人のベトナム人留学生がいる(中国、韓国、台湾に次いで第4位)。単純に大学に4年、大学院に2年通うとして6で割ると、毎年少なくとも600人の就職希望者がいることになる。だが、600人のうち“在留資格許可”を得た人、つまり企業や団体に就職したのは167人と、わずか3割弱である(2010年)。では、残りの7割はどこに行ったのか?
正式な統計はないが、大学院へ進学(就職浪人の人も)、非正社員として雇用、あるいはベトナムへ帰国……といった道筋が主流。8万6000人と留学生数トップの中国人でも在留資格許可数は約5000人と、推定1万4000人の就職希望者のおよそ3割にとどまっている。留学生が7割も活用されていない現状。国費留学生なら、まさに国家的損失だ。
そこで、ベトナム人留学生の就職を支援しているのが、一般財団法人エムピーケン(MP研)だ。MP研は外国人への職業紹介や採用支援、留学生の教育訓練や就職指導を実施する団体。MAKIKOさんと私がお邪魔した時、代表理事の“熱い(そして長い)お喋り”に共鳴した。
プランニング事業で成功した代表理事は今、ベトナムのための公益事業を現地と日本で行っている。2時間語り続ける彼のパワーに圧倒され、またその本質にある純粋さに打たれ、「MP研の留学生就活支援講座」にMAKIKOさんと協力することになった。
しかし、なぜ私設の就活講座なのか? そこには代表理事の思いと大学の苦境がある。
就活成功の秘けつはさまざまあるが、大切なのは「喋れること」。自分を面接相手に印象付けることだ。語れるようになるためには、浅くても広い雑学知識が必要である。といってもバラバラではダメ。マーケティングやマネジメント、消費者や文化を横断的に理解し、その本質をワシづかみにするキーワードがあって初めて、「いいこと言うね!」になるのだ。
まずは大学が支援するべき? いやいや、そうはいっても教授は自分の教育カリキュラムを崩してまで就活支援はしたくない。学生課も、中退者の食い止めや日本人学生の就活支援で手一杯。留学生にまで手が及ばない。
そんな時、ITやマーケティングを中心にコンサルティング活動をしてきたMAKIKOさんと私がいたというわけだ。さらに私は「utte」というWebサイトを中心にアーティスト支援の文化活動を実践、連載『うふふマーケティング』でも幅広いトピックスで読者を煙に巻いている。雑な生き方もたまには役に立つ。
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