ソーシャルゲームはとかく課金への導線といったことが強調されて、「ゲームとしての面白みがない」とも言われたりもする。しかし、『ドラゴンコレクション』には開発するコナミのゲーム会社としてのプライドのようなものを感じることがある。
先日、ママンというかわいい生き物を育てる「秋のママン祭り」というイベントがあった。期間中に用意されたイベントページではママンの様子が見られるのだが、筆者が驚いたのはイベント終了後も2日ほどイベントページへのリンクが残されていたこと(しかも目立つ場所に!)。
イベントページにはまったく課金への導線はないので、収益を重視する企業なら、何らかの課金ガチャへのリンクに差し替える場面である。しかし、そうせずにイベントの余韻を残したことに、ゲーム会社としてのプライドを見たのである。もちろん長期的に見ると、ユーザーの満足度を向上させることは、収益増加につながるのではあるが。
そしてインタフェースとしてほかと決定的に異なっているのが、GREEのホームから『ドラゴンコレクション』のアプリページに飛んだ時、ユーザーページに移動すること。『探検ドリランド』など、ほかのゲームでは、課金ガチャへの誘導リンクなどが大量にあるトップページに移動することが多いのだが、それを避けて、ユーザーがプレイしやすいようにクリックの手間を1つ省いているのだ。小さなことではあるのだが、このあたりにもこだわりを感じた。
個人的に面白いと思ったのが、スマートフォンでもiOSへの対応が後回しになっていること。普通にプレイはできるのだが、イベントの演出が省略されたり、突然アプリが落ちたりする。ちなみにAndroid OSではそんなことは起こらない。
その背景には、日本の携帯電話市場ではiOSのシェアが低いということがあるからではないかと筆者は想像した。また、App Storeには多くの人気のあるゲームが存在するため、コストとリターンを考えて、最小限の手間しかかけないという結論に至っているのかもしれない。もちろん、iOSの仕様上の特性なのかもしれないが。
そんな『ドラゴンコレクション』もスタートから1年以上経って、エンドコンテンツ不足に苦しんでいる気配がある。毎月、2〜3週間ほど行われるイベントの期間以外は大きくユーザーのログイン率が落ちているように思うし、イベントも以前行った内容の焼き直しが目立つようになっている。課金ガチャを引いた際にもらえるおまけもインフレ気味で、バランスが崩れつつあるように感じる。
2011年のヒット商品を選ぶなら、筆者は必ず『ドラゴンコレクション』を入れるが、来年もこの快進撃は続くのか、注目しているところである。
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