オリンパス株って、上場維持できるの? 廃止になるの?知っておきたいニュースな言葉(3/4 ページ)

» 2011年11月18日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

大手町:例えば、旧ライブドア。自社株を売ってもうけたお金は売上高に計上してはダメなんだけど、彼らはやってしまった。当時のライブドアはウソの情報(虚偽記載)を発表したので、上場廃止になってしまったんだ。このほかにも西武鉄道やカネボウ(現・クラシエ)もウソの情報を流して、上場廃止に追い込まれたんだ。

マコ:私たちをだまそーとしたわけだから、そのくらいの罰は受けて当然ですっ!!

大手町:一方で、日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)や三洋電機も同じようなことをしたのに、上場廃止をまぬがれたんだ。罰金(課徴金)は支払ったけどね。

マコ:えー、どうして?

大手町:実は上場廃止になるかどうかは、証券取引所のサジ加減で決まるんだ。

マコ:サ、サジ加減!?

大手町:例えば東京証券取引所の上場廃止基準は「企業が有価証券報告書に虚偽記載を行い、その影響が大きい場合」となっているんだ。

 「その影響が大きい」というのは、あいまいな表現だよね? だから「アウト」または「セーフ」の判断基準も明確ではないんだ。

マコ:彼氏にフラれるときの理由みたい……。3日前に別れた彼氏からも「お前とは、なんとなく合わない」と言われたし……(涙)。

大手町:(無視)

 「上場廃止か罰金か」という話をしたけれど、両方の“罰”を受けた企業もあるんだ。

 粉飾決算が発覚したコンサルティング会社のシニアコミュニケーションは罰金5000万円ほど支払い、さらに上場廃止に追い込まれてしまった。

マコ:手切れ金を支払ったのに、彼氏にフラれるようなものね……(涙×2)。

大手町:(無視)

 現時点で言えることは、オリンパスは上場を維持できるかもしれないし、廃止になるかもしれない。繰り返しになるけど、それは東証のサジ加減ひとつで決まるんだ。しかし刑事事件になってしまえば、上場廃止になるだろうね。

虚偽記載で処分を受けた企業(一部)

企業名 処分 維持または廃止(理由)
日興コーディアル証券 課徴金5億円 上場維持
三洋電機 課徴金830万円 上場維持
IHI 課徴金16億円 上場維持
西武鉄道 証券取引法違反で起訴 上場廃止(公益または投資者保護、虚偽記載)
カネボウ 証券取引法違反の疑いで告発 上場廃止(虚偽記載、意見不表明)
ライブドア 証券取引法違反で起訴 上場廃止(公益または投資者保護、虚偽記載)
アイ・ビー・イーホールディングス 課徴金3393万円 上場廃止(虚偽記載)
シニアコミュニケーション 課徴金5049万円 上場廃止(虚偽記載)

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