Facebookから考える“コミュニケーション能力”の意味(1/3 ページ)

» 2011年11月18日 08時00分 公開
[寺西隆行,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:寺西隆行(てらにし・たかゆき)

株式会社Z会教材編集部理科課長(兼小学生コース教材担当)。幼児から大学生・若手社会人の教育に携わるZ会で、理科の教材編集に携わる社員のマネジメントと、小学生向け商材の開発担当を担う。前任はWeb広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当。大学生の「自分創り」をサポートする株式会社レイズアイ立ち上げプロジェクトメンバー。


 12月から就活解禁のためか、最近、就活についてのニュースが増えてきたような気がします。そして就活ニュースが増えると、決まって出てくるのが「企業が社会人に求める能力とは?」というネタ。このところ毎年のように、そしてほとんど1番にランクするのが「コミュニケーション能力」ですね。

 しかし、「コミュニケーション能力が大切!」と言われて、コミュニケーション能力がその時点でない人が、「そうか! だったら●●しよう!」という考えや行動は、本質をとらえていない場合が多い気がします。

 例えば、

  • 人付き合いが苦手なので、さまざまな異業種交流会に出かける
  • ついついホンネが出てしまうので、建前でその場をしのぐやり方を身に付ける
  • 会議の場での発言に慣れるため、ディベート形式の場に多く参加する
  • 積極性を身に付けるために、あいさつを元気にしようとする
  • コミュニケーションに関するノウハウ本をたくさん読んでしまう
  • Facebookで多くの「友達」を作る

 ……などでしょうか。

 どれも「間違い」とまでは言いませんが、それだけでは企業が求めている「コミュニケーション能力」が本質的に身に付くとは思えません。これらのやり方は、潜在能力としてはコミュニケーション能力を持っているものの顕在化していない人が、顕在化させるための手法であって、そもそも身についていない人が「企業が納得するレベル」にまで昇華させられるとは思えないのです。

 「コミュニケーション能力とは?」を僕なりに定義すると、次の2つを両方身に付けていることです。

1.「相手の心を理解しよう」という心を持ち合わせていること

2.相手の求めていることを言動で表現できる技術を持ち合わせていること

 そして、1×2の能力が高い人が「コミュニケーション能力の高い人」です。まとめると「相手のことを考え、相手の求めに応じたアウトプットができること」ですね。冒頭に挙げた行動は、すべてが自分主体で考えていますから、コミュニケーション能力の本質をついていない、と思えるわけです。

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