欧州金融不安が一段落、クリスマス商戦期待もあって反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年11月16日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8541.93▼61.77

<TOPIX>730.91▼4.94

<NYダウ>12096.16△17.18

<NASDAQ>2686.20△28.98

<NY為替>77.03▼0.04

欧州金融不安が一段落、クリスマス商戦期待もあって反発

 イタリア国債利回りが再び7%台に乗せたことで欧州金融不安に対する懸念もありましたが、朝方発表された小売売上高が若干予想を上回ったことでクリスマス商戦に対する期待もあり、堅調となりました。金融不安=信用収縮がないと足元の景況感は決して悪くないだけに素直に好調な業績などが見直されるという展開になっています。小売売上高も順調に回復しているとの見方で、来週末から始まるクリスマス商戦に対する期待が強まり、買い直す動きもあったものと思います。

 著名投資家が新たに半導体大手に投資をしたと伝えられて半導体関連銘柄などが高く、指数を押し上げた面もあるのですが、QE3(量的緩和)に対する期待も根強く、景況感が良ければ良いでクリスマス商戦が盛り上がるのではないかと期待し、悪ければ悪いで更なる金融緩和を期待すると言うことになるのでしょう。欧州の金融不安から銀行に対する懸念も根強いのですが、商品相場が堅調となっていることもあり、資金の回転がしっかりと効いていると見てセンチメントも上向いているのだと思います。

 個別には著名投資家が新たに投資をしたと伝えられたインテルが高く、指数を押し上げ、連れてアップルやIBMなどハイテク銘柄が堅調となりました。欧州金融不安が一服となってバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースが堅調、原油先物や金先物価格が高いのでエクソン・モービルやパブリック・ゴールド、ニューモント・マイニングなど石油株、金鉱株は高いのですが、シェブロンは手仕舞い売りもあって軟調となりました。景気敏感株は欧州での景気鈍化懸念も根強いのですが、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調、フォードやアルコアは軟調とまちまちとなりました。好調な小売売上高が発表されたのですが、好材料出尽くし感もありクリスマス商戦前に手仕舞う動きでウォルマートや好調な決算を発表したホーム・デポなど消費関連に軟調なものも見られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となり、戻りの鈍さを嫌気しては売り直されるというような展開で小動きながら冴えない展開が続きました。ただ、大きく売り直されるということでもなく底堅さもみられ、相変わらず閑散としたなかで方向感に乏しい展開でした。手掛かりもなく円高気味という割には底堅いともいえますが売買高は昨年12月以来の低水準とあって、ちょっとした売り買いで指数が振らされることになりそうです。

 米国株は反発となったのですが、ユーロ安ということもあり、日本市場は上値の重い展開となりそうです。米半導体株が買われたということで関連する半導体関連銘柄などが物色される可能性もありますが、円高気味ということや芳しくない決算ということもあり、売られすぎた銘柄の反発は期待されるものの引き続き盛り上がりに欠けるような冴えない展開となりそうです。小型銘柄も決算動向はまだら模様となっており、幕間つなぎ的に買われる銘柄も広がりを見せず、目先の値動きの良さだけをみるような展開ではないかと思います。

 日経平均は引き続き8500円〜600円水準での底値固めということではないかと思います。米国ではクリスマス商戦に対する期待も出ているようですが、日本ではまだ年末商戦というには時期が早すぎ、円高が進むなかではなかなか強気になれないのだと思います。上値は当面は8800円〜900円水準ということだと思いますが、本日は8600円水準が上値、8500円水準が下値ということで8500円台での閑散小動きとなりそうです。

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