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» 2011年11月28日 10時00分 UPDATE

はじめはみんなベンチャーだった:Webサイトを作らないなんてもったいない――「みんなのビジネスオンライン」で中小企業に成長を

インターネットの利用者数は現在9000万人以上。その4割以上が企業サイトや通販サイトを利用したい一方、企業側では自社サイトの所有率が24%程度。こうした状況にGoogleがリリースしたのが「みんなのビジネスオンライン」だ。Webサイト開設の障壁である「コストとスキルと時間」問題を解決できるのであろうか。

[Business Media 誠]

 国内のインターネット利用者数は2010年末までに9482万人に達し、人口普及率は78%となった(出典:総務省「平成22年通信利用動向調査」)。5人のうち4人がインターネットを何らかの形で利用している計算だ。特に最近は、高齢者の利用率が向上しており、iPadなど直感的に操作できるスマートデバイスが後押ししているとみられている。

st_mb02.jpg 総務省「平成22年通信利用動向調査」

 こうした個人が利用するインターネットの目的として最も多いのがメールの送受信。インターネット利用者の50%以上が利用しているという。次いで4割を超えたのが企業や政府のWebサイトを閲覧すること。さらに商品やサービスを購入することも4割を超えた。ビジネスだけでなくプライベートでも利用するメールの送受信は置いておくとしても、企業のWebサイトを閲覧したり、通販サイトで購入したり、ビジネスに直結する利用意向は近年になく高まっていると言えそうだ。

 一方、そうしたニーズに応える側の企業ではインターネットをどのように活用をしているのだろうか。全国の中小企業数は現在400万社を超える。Googleの調査によると、そのうち24%しか自社サイトを持っていないのだ。大企業ではすでに自前のWebサイトや通販サイトを持っているところも多いが、国内企業の99%を占める中小企業(製造業の場合、資本金3億円以下、従業員300人以下)では、通販サイトや自社サイトすら整備していないケースが大半なのである。

Webサイト開設の「コストとスキルと時間」問題を解決するのは……

 9000万人を超える潜在顧客がいて、そのうちの4割に企業サイトやECサイトの利用意向があるとすれば、最低でも3600万人の見込み顧客が存在する――。これは立派なブルーオーシャンではないだろうか。なのになぜ、中小企業はWebサイトを作らないのか。

st_mb01.jpg Googleの東後プロダクトマーケティングマネージャー

 「Webサイト開設において大きな障壁となっている点は3つ。それは、コストとスキルと時間です」と指摘するのは、Googleの東後澄人プロダクトマーケティングマネージャー。そもそも中小企業ではWeb専門の人材確保や、リテラシー向上にかける教育コストの面において大企業よりも不利な状況にあることが一般的。さらにリアルな店舗などで収益を上げている場合、Webサイト構築にかける予算も時間も割けないケースが多いのだ。

 いわば「コストとスキルと時間」問題が中小企業のオンライン化を阻んでいるのである。こうしたWebサイト開設にまつわる問題を解決すべくこの9月に登場したのがGoogleの「みんなのビジネスオンライン」。KDDIとKDDIウェブコミュニケーションズがパートナーとなり、日本の中小企業や個人経営の店舗などを対象に、独自ドメインでの自社サイト開設を支援するサービスである。

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 特徴は、企業用サイト開設に必要なサービス一式をワンストップで提供し、しかもクリック&タイプだけで誰にでも簡単にWebサイトを編集できること。Webページのイメージのまま、編集したい部分をクリックし、必要な情報を入力(タイプ)するだけでWebページができあがるのだ。Internet ExplorerなどのWebブラウザ上で操作するため、専用ソフトは不要。HTMLやCSSはもちろん、サーバやFTPなどの知識も不要だ。この「みんビズ」は以下5つの特徴を備えている。

  1. 業種別テンプレート(14業種、84テンプレート)
  2. 独自ドメイン(jpドメイン)
  3. HTMLなどの知識がなくても簡単にページ制作可能
  4. セミナーでのノウハウ提供
  5. オンラインや電話でのサポート

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  しかも1年間は無料で利用可能。無料期間後は月額1470円で作ったサイトやドメインを継続できる。

 なお、特徴の業界別テンプレートやページ制作のシステムに関しては、KDDIウェブコミュニケーションズ提供のWebページ作成サービス「Jimdo」がベース。このJimdoをさらに「Google Analytics」に対応させた。制作したWebページを作りっぱなしにするのではなく、PVなどの指標を集計し、ページの分析や改善などに役立てることも簡単にできるようになったのだ。


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充実のサポート――「とことん中小企業が使いやすいように」

 一般的にGoogleと言うと、高い技術力を持っていて、サービスの利用者も技術に明るいユーザーが多いような印象だが、みんなのビジネスオンラインについては「とことん中小企業が使いやすいように努めた」(東後氏)。これはクリック&タイプだけでWebページを作れるようにした機能面だけの話ではなく、サポート面でも同じだ。

 みんなのビジネスオンラインでは、独立行政法人中小企業基盤整備機構、特定非営利法人ITコーディネータ協会が提携団体として参画。全国の商工会議所で定期的なセミナーを開くほか、ITコーディネータのコンサルテーションを受けたり、電話などのリアルコミュニケーションでも中小企業向けのサポートを受けたりできる。

 「誰にでも簡単に利用できる『みんビズ』を通じて、中小企業や個人事業主の皆様の支援につながればと考えています。その結果、日本経済の活性化に少しでも貢献できれば素晴らしいですね」(東後氏)

 中小企業にとって“Webページ作成の壁”であったコスト、スキル、時間。みんなのビジネスオンラインは、コストは無料に、スキルはサポートを充実させ、時間は簡単操作を実現することでこうした壁を打破しようとしているわけだ。

中小企業のビジネスモデルに合わせてさらに最適化

 9月に始まったばかりのみんなのビジネスオンラインは、開始以来2週間で6000を超える中小企業の登録があった。現在も利用者を伸ばし続けている。

 「中小企業のビジネスモデルは同じ業種であっても、企業によってそれぞれ異なります。例えば同じレストランでも『うちはただのレストランでない』という店主もいるのです。そうすると既存テンプレートでは間に合いません。今でも14業種84テンプレートを用意していますが、これからは中小企業のビジネスモデルに合わせて、さらに業種別のニーズに合わせた選択肢を考えていきます」(東後氏)

 野村総合研究所の「インターネット経済調査報告書」によると、自社サイトの有無で収益が1.4倍程度変わってくるという。柔軟なサポートで対応することで「Googleのサービスを使うことに喜びを感じてもらえるようになりたい」という。コスト、スキル、時間という課題を解決しようと取り組んだみんなのビジネスオンラインで、あなたの会社のWebサイトを作ってみてはいかがだろうか。

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