コラム
» 2011年11月15日 08時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:海外で、日本食レストランを開業する苦労とは (2/4)

[松田雅央,Business Media 誠]

開業時の苦労

――開業時の苦労は?

オーナー:開業は大変でした! 山のような書類を書かなければならないけど、右も左も分からないから、もう行き当たりばったりで。それに役所が意地悪なわけ。それで最後は「申し訳ないですがド素人なので、やり方を教えてください」と言ったらフレンドリーになって。知ったかぶりしていると意地悪なんだけど、分からないから教えほしいという態度になると、ドイツでは親切にしてくれるところがあります。準備には1年半をかけました。その間、多くのドイツ人に助けられました。

――店があるのは中央駅から地下鉄で8分ほどのところ。決して不便ではないが繁華街ではない街はずれにあります。ここに店を構えた理由は?

オーナー:最初はここでなく、もっと街の中に借りる予定だったんです。ところが開店間近になって大家に改造の許可証を見せてくれと言ったら、大家が取っていなかった。あわてて市の建築課へ行ったら、手続きの待機者が多いから3カ月から半年はかかると言われて。従業員も日本から来るし、慌てて新しい物件を探したけど、どこも半年先とかばかり。やっとこの物件をインターネットで見つけて見学に来ました。

 でも、すでにたくさんの希望者が来ていて、みんな真剣に相談しているわけ。私は外国人だし、これはダメだと思い条件だけ聞いて帰ってきました。ところがオーナーから電話があり「あなたに決めました」って。驚いてなぜですかと聞いたら「あなただけうるさいことを言わなかったから」。他の人は家賃を下げろとか、少しでも有利な条件で営業権を譲渡してもらおうとしたらしいんです。私だけそれがなく決め手になったそうです。

――スタッフはどのように探したんですか?

オーナー:まず、日本の知り合いの寿司屋からちょうど一緒にやりたい人がいると聞いて。スタッフの半分は日本から、半分はドイツ在住者でした。

 とにかく寿司職人を探すのは大変。そもそも海外に来たい人が少ない。日本では回転寿司に押されて寿司屋が減り、なり手が減っています。高齢化も進んでいるから、海外に出ようとインターネットで探す世代も少ないんです。

 ドイツの寿司工場で働いている日本人は結構多いけど、彼らはマシーンとして流れ作業をしているから、その後寿司職人になろうとしても難しい。スシ工場を辞めても失業している人は多いですよ。

yd_matuda2.jpg オーナーお勧めの醤油ラーメン(11.9ユーロ)

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