大幅高となるも手掛かり難で寄り付いたあとは閑散小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月14日 17時04分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 週末の米国株が大幅高となったことから買い先行、大幅高の始まりとなりました。ただ為替が円高気味ということや外国人も引き続き売り越し基調ということもあり、寄り付きの買いが一巡となった後は上値も重く、上値の重さを嫌気する動きもあって大幅高ながらも上げ幅縮小となりました。売り急ぐ動きはないのですが、閑散としたなか目先筋の売り買いばかりが目立つという状況で指数に方向感はみられず、大幅高となった割には盛り上がりにも欠け、「冴えない印象」となりました。

 上がっても下がっても寄り付きの売り買いだけでその日の動きが決まってしまうような展開が続いています。海外要因に反応するものの、日本独自の要因には反応仕切れないということなのでしょう。目先筋の売り買いが中心となって、テクニカル的な要因で指数の動きも決まったしまうような面も多いと思われます。先日もこのコラムで述べましたが、決算動向などに反応する動きは見られるものの、特に理由の無い中で上がるから買われ、下がるから売られるというようなものも多くみられます。

 オリンパス(7733)が一転、ストップ高買い気配となりましたが、こうした日経平均採用銘柄がストップ高となったり、ストップ安となるとその値上がり、値下がりが実際に値段が付いていないなかで先物などに影響を与え、また、他の銘柄に需給面で影響を与えることもあります。本日のようにストップ高で値が付かない場合、理論上日経平均先物を買って、オリンパス以外の224銘柄を空売りすることで、オリンパスの株を買ったと同じ効果が得られるのです。

 逆にストップ安となった場合は日経平均の先物を売って、224銘柄を買えば、理論上ストップ安で売ったのと同じことになるのです。ですから、本日も後場に入ってからの局面で特に買われた銘柄があるということでも、何か変わったということでもなく、先物にまとまった買いが入る場面もあり、おそらく、こうしたテクニカル的な要因で買われた場面もあったのではないかと思います。相場の方向感や業績や景況感に左右されるということではなく目先の需給要因での売り買いも結構多く、なぜ上がっているのか、下がっているのかわからないような局面となっていることもあると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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