「自分のアタマで考えること」が大切なワケちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)

» 2011年11月14日 19時10分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]
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変わりゆく時代の中で

 今、多くの人が「時代が変わりつつある」「過去とは異なる未来がやってくる」と感じています。新しい世界が始まる時、ゼロから自分で考える方法論を身に付けていないと、過去の事例を「覚えた」だけでは乗り切れません。

 その変化を一番に感じているのが、就職活動をされている学生のみなさんでしょう。例えば、メディア業界を希望するといっても、業界構造も、その中の企業も、技術も、メディアと受け手の関係も、課金システムやビジネスモデルも、今やすべてが変わろうとしています。

 そんな中でも相変わらず、どうやったら広告代理店に入れるか研究すべく先輩の体験談を聞き回ったり、「新聞記者になるための業界勉強会」などでひたすらノウハウを勉強していれば、それでいいのでしょうか? また、それが本当に「考えること」だと言えるでしょうか? 私にはむしろそういった人が「何も考えていない人」にさえ見えてしまいます。

 一方の企業の採用担当側も同じです。特に大企業は、インターネットでのエントリーという新しい技術による応募者の激増や、SNSで一瞬にして自社の採用プロセスが暴露・共有されてしまう現状に対して、ひたすら偏狭で防衛的な対策をとるばかりです。

 そんな姿勢では、これからまさに世界の市場で戦っていかねばならないという時に、他国からの留学生や海外で教育を受けた学生らが期待するグローバルスタンダードの人材採用市場においてまったく相手にされません。「自分たちがどんな採用方針、採用プロセスを持つべきなのか」ということについて、企業側は就職情報業者に任せてしまうのではなく、本当に自分たちのアタマで考えているのでしょうか?

 私の場合、大変苦労はしましたが、30代前半で「考える方法論」を身に付ける機会を得て、実地訓練を積むチャンスに恵まれましたし、それでも間に合う時代でした。しかし今の学生や若い会社員は、もっと早いタイミングでそれができなければ、時代の変化の波に翻弄されてしまいます。

 10月末にダイヤモンド社から出版した『自分のアタマで考えよう(知識にだまされない思考の技術)』は、私が何年も(上司や先輩にボコボコにされながら)苦労して身につけてきた「思考の方法論」を、できるだけ身近な社会事例に当てはめながら解説した本です。

 「過去の事例を知識として覚える」のではなく、「未来がどうなるか、自分で考えたい」と思う人のために少しでもお役に立てれば幸いです。

 そんじゃーね!

『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社刊)

ちきりんさんによる新刊『自分のアタマで考えよう』がこのほど発売されました。

「プロ野球の将来性」「結論が出ない会議の秘密」「少子化問題のゆくすえ」「婚活女子の判断基準」「消費者庁が生まれた真相」「就活で失敗しない方法」「自殺の最大の原因」など、社会問題や日常の疑問を考えながら、「ちきりん流・思考の11のルール」を分かりやすく解説しています。

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著者プロフィール:ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

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