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» 2011年11月10日 08時29分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:なぜ他社の数倍の価格で売れる? ダイソンの掃除機をバラバラにして考えてみた (1/3)

他社の数倍の価格でありながら、多くの顧客に愛されているダイソンの掃除機。サイクロンという特殊な形状を持つ同社の掃除機だが、バラバラにして、その人気の秘密を分析してみた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


ah_IMG2932S.jpg Andrew McCullochさん、手前が解体するDC36

 日曜日に家を掃除もせずに、掃除機の分解・組み立てをした。ゴミが溜まって目詰まりしたからじゃない。目詰まりしない掃除機を知るためだ。

 過去数十年の掃除機の歴史で最もユニークなサイクロン方式を発明したジェームス・ダイソンが、“Dyson Strip&Build(分解と組み立てで学ぶエンジニアリング)”と名付けたイベントを銀座のDYSON LAB(12月25日まで営業予定)で開いた。

 英国ダイソン社にエンジニアとして8年間勤めるAndrew McCulloch(アンドリュー・マカロック)さんのガイドで、2011年発売の『DC36』キャニスター型掃除機をバラして、サイクロン・テクノロジーや操作構造を学ぶのだ。集まったのは10人の“掃除機好き”(掃除好きとは限らない)。

 ちなみに私はDIY派を自認する自称“器用人”。不調な電気器具をバラして直した経験は多数あるが、時にバラしたままにもなる。先日も電気ポットを“わが解体”したものの結局不燃ゴミとなり、自己批判した。さて今日は大丈夫だろうか。

ゴミの入口の知恵に感心

 本体・サイクロン・クリーナーヘッドを各20分ずつかけてバラして組み立てる。

 まずクリーナーヘッド。Andrewさんのガイドで2カ所のネジを外すとバラバラになった。青と白の鮮やかな色のラセン状のブラシが、高速回転してじゅうたんからホコリを叩き出すわけだが、その回転は“エアの力”。エアタービンヘッドタイプではエアを還流させて、小さなギアを高速で回す。軽量で省電力で合理的。感心した。

ah_IMG2951S.jpgah_IMG2949S.jpg 少しずつバラバラに

 床とヘッド部の密着にもトコトン執着している。ヘッドは押すときは床に付くが、引くときは手前が持ち上がりやすい。さらに右へ左へ動かすと、左右部が上がりやすい。そこでダイソンでは吸引面を常に床に水平にするフラップやボールジョイントなど、アイデアをいっぱい入れた。ヘッド部だけでたくさんの特許があるだろう。

ah_IMG2963S.jpgah_IMG2959S.jpg 次はヘッド部分を

 感嘆してパーツをなでていると「元に戻しましょう!」と言われてアタフタ(笑)。ビスを落としつつ遅れを取り戻しつつ、サイクロンへ。

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