そもそも、再生可能エネルギーに伴うメリットを金額に換算するのは難しい。
「温室効果ガス排出削減により防ぐことができた環境被害額」は算定方法によって大きな違いが生じるし、技術革新の効果も算出しにくい。さらに「国際政治のリスク軽減によるメリット」など算出は不可能だ。また、この報告書では公的な補助金の要因も考慮していない。それでも再生可能エネルギーの影響を議論する際、経済効果をある程度視覚的に示す必要があり、報告書はその目安として作成されたものだ。
報告書の最後にも記述されているが、実は一番大切なのは短期的な金銭勘定ではなく、もっと長期的に環境とエネルギーの未来を考える視点。つまり「持続可能な社会を作るため、再生可能エネルギーへのシフトが重要」という社会的合意の形成だ。
国とし確かな展望を持ち、コンセンサスを得ているのがドイツ。そしてまだ得られていないのが日本。再生可能エネルギーに対する踏み込み方が両国で違うのはこのためだ。
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