連載
» 2011年11月07日 17時38分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:円高が日本を救う!……かも (1/2)

ここ数カ月、1ドル=80円を超える円高が続いており、政府も介入を繰り返しています。円高は輸出産業にとって不利だと言われますが、ちきりんさんはこの円高を契機に日本の産業構造が変化することを期待しているようです。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2009年1月3日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 円高で経済界が大混乱しています。「しかし、これまでだって、この国の“大きな飛躍”は常に大混乱をきっかけに実現されてきたのだから、今回もこの混乱を変革のチャンスに転じることができるはず」とちきりんは思っています。

ah_tiki1.jpg ここ10年のドル円レート推移(出典:Yahoo!ファイナンス)

 円高は、国内売上が大半の会社には害を及ぼしません。材料を輸入して国内で売っているなら、むしろ儲かっているはずです。ダメージを受けているのは「日本で付加価値の高い工程を実施して、海外で売っている産業」です。具体的には、製造業の中でも国内生産比率が高い自動車産業や、大型液晶パネルなどの基幹部品を日本で作っている家電業界、そして国内に主なプラントをもつ産業財企業でしょう。

 彼らは、過去にも一度「超円高危機」を経験しています。円が対ドルで240円台から120円台へと急騰したプラザ合意後の円高です。

 その時にこれらの企業がとった対策が「製造工程の海外移転」でした。付加価値の低い部品の製造や組み立て工場は、この時期以降ほぼすべてが海外移転してしまいました。だから今国内に残っているのは、付加価値の高い基幹工程の工場と、本社など工場以外の部門ばかりです。

 またこの時を境に、海外から圧倒的に格安の商品が輸入されるようになり、世界に通用する付加価値のあるものを作っていた企業、産業以外は、その存在自体が淘汰されてしまいました。

 今回の円高はあのころに次ぐインパクトがあるように思えます。技術系輸出企業の多くは、製造工程こそ海外に移転していますが、開発本部や本社機能の大半はまだ日本にあります。その人件費、オフィス家賃などはすべて“円”で発生しており、たとえ工場を海外に移していても、「日本に大きな本社がある」だけで(円高は)相当な痛手です。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ