復興増税によって「業績に悪影響」、6割を超える

» 2011年11月04日 18時16分 公開
[Business Media 誠]

 東日本大震災の復興財源に充てる増税案に対し、企業はどのように感じているのだろうか。復興財源として所得税、法人税の増税が実施された場合、自社の業績にどのような影響を与えますかと聞いたところ「悪い影響がある(かなりを含む)」(63.9%)と答えたのは6割を超えていることが、帝国データバンクの調査で分かった。一方、「良い影響がある(かなりを含む)」としたのは、わずか0.5%。多くの企業は「復興増税は自社の業績に悪影響を与えるのではないか」と懸念しているようだ。

(出典:帝国データバンク)

 復興に対して重要と思われる政策については「原発事故対策(放射性物質を含む廃棄物処理や除染費用、個人補償など)」(68.6%)を挙げる企業が最も多かった。次いで「被災地域の経済復興政策(復興特区や農林水産、観光など)」(67.3%)、「被災者に対する雇用・失業対策」(57.3%)と続いた。

(出典:帝国データバンク)

復興増税の開始時期

 復興財源として法人税や所得税などの増税が実施された場合、その開始時期についてはどのように考えている企業が多いのだろうか。「2012年度内に開始すべき」と答えたのは38.8%、「2013年度以降に開始すべき」は33.1%。2012年度内が2013年度以降を5.7ポイント上回り、できるだけ早い復興増税を開始すべきと考える企業が多い。しかし2013年度以降に先送りすべきと考える企業も3社に1社あり、企業の見解は分かれた。

(出典:帝国データバンク)

 復興増税の開始時期として「2012年度内に開始すべき」と答えた企業に、その理由を聞いたところ「復興のスピードに弾みをつけるため」(80.7%)が最も多かった。このほか「将来世代に負担を残さないため」(45.1%)、「復興予算の安定的財源を明確にするため」(44.4%)もともに4割を超えた。

 一方「2013年度以降に開始すべき」とした企業からは「景気の低迷が懸念されるため」(91.2%)が最も多く、以下「税収の悪化が懸念されるため」(25.1%)、「増税に対する準備を行うため」(17.7%)と続いた。

 1万746社が回答。調査期間は10月19日から31日まで。

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